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メメント・モリ

05 

まったく暑い日が続くが、昨日よりはほんの少し、風が心地よい。
臥所からおきると、びっくりしたが、飼っている金魚が一匹死んでいた。
夕方、職場の屋上でくつろいでいると、空から何かが落ちた。
飛んでいる途中に寿命が尽きたアブラゼミが足下に落ちてきたのだ。
古来より、哲学者たちは動物と人間の違いについて激しい議論を展開してきたが、ヒトにも動物にも等しく死は訪れる。

メメント・モリ(Memento mori)とは、ラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句である。日本語では、「死を想え」「死を忘れるな」などと訳されることが多いが、いずれにせよ「自分が死すべきものである」ということを人々に思い起こさせるために使われた言葉である。

古代ローマでは、この言葉が、戦に勝利した将軍が凱旋する際のパレードで使われた言葉であると伝えられている。将軍の後ろに使用人が立ち、この使用人は、将軍は今、絶頂にあるが、明日はそうであるかわからない、ということを思い起こさせる役目をになっていたそうな。そこで、使用人は「メメント・モリ」と言うことによって、それを思い起こさせていたのである。

さて、過ぎゆく夏をどう楽しむか。

「東京で生まれ育った者の夏は、炎天の中を街へ出かけ、映画か芝居の一つでも観て、その帰りに好きな店へ立ち寄り、ビールの一本も飲んで帰って来れば、それで大満足だし、仕事もほとんどやすまない。茄子や胡瓜、白瓜にトマトなど、夏の野菜が食欲をさそい、むしろ体重が増えるほどだ」(池波正太郎『日曜日の万年筆』新潮文庫、昭和59年)

どこか遠い南国の島にだけバカンスがあるのではない。何気ない日常生活を振り返る、何か一つ工夫をすることで、人は本当の生きる楽しみを享受できると思う。
Book 日曜日の万年筆

著者:池波 正太郎
販売元:新潮社
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