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エイヤーの叫び

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「たんに道徳的な判断を表現しているにすぎない文章はなにごともいってはいない。それは純粋に感情の表現であって、それゆえ真や偽のカテゴリーにあてはまらない。それは、苦痛の叫びや命令の言葉が検証不可能であると同じく、検証不可能である」

「彼が、彼の知識を経験的に検証可能な命題の形で述べることができなければ、彼は自らをあざむいているのだといってよい」

上の言葉は、派手な交際家で女たらしとして有名なイギリスの論理学者エイヤー(Sir Alfred Jules Ayer)の著書『言語・真理・論理』(吉田夏彦訳、岩波書店、1955年)から。

エイヤーによれば「善」とか「~なすべし」といような言い方やそうした言葉を含む命題は、美醜への感嘆、あるいは信仰告白と同じく、けっして客観的に検証することの出来ないものである。いわば「叫び声」とか「感嘆符」以上のものではない。ゆえに一般的な倫理的命題とは、それを聞く者の感情に訴えて、相手を説得させようとするものにすぎない。
「~すべきです」とか「するな」というような倫理的言説は、すべて、検証不可能な感情の表現(叫び)にすぎないと断ずるエイヤーの主張は、初めて接した時強烈だった。いささか極端なきらいもなくはないが、日常生活を振り返ってみると、しらずしらず反省しないで、こうした表現を使っているのも事実である。とくに子供に対して。このような状況を顧みると、“道徳は押しつけだ”と嫌われるのも、言葉遣いに配慮しないところから起きているのかも知れないと思う宇治家さんです。

最近、子供が幼稚園で“馬鹿”という言葉を覚えて帰ってきた。さて、どう扱えばいいのか。母親は愛の鞭で、父親は状況に呆然としている状況です。

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