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【覚え書】「大川周明:未発表原稿見つかる 大物右翼・頭山満の評伝」

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 戦前の代表的な思想家の一人に大川周明(おおかわしゅうめい、1886年-1957年)がいる。敗戦後、A級戦犯として起訴されるが、病を理由に不起訴扱いとなった人物だ。法廷で、東条英機の頭をたたいたことでも有名である。大川が博士論文を提出する際、吉野作造とも交流があったことでも知られている。
 さて、その大川周明に関する記事があったので、覚え書として以下に紹介します。

◇「大川周明:未発表原稿見つかる 大物右翼・頭山満の評伝」、『毎日新聞』(2007年11月29日(木)付)。
 戦前の右翼・国家主義者でA級戦犯だった大川周明(おおかわ・しゅうめい=1886~1957年)が、第二次世界大戦の終結前後に書いたとみられる未発表の原稿が見つかった。大物右翼、頭山満(とうやま・みつる=1855~1944年)の評伝で、自由民権運動の評価を詳しく記すなど、大川の歴史観を示す重要な資料だ。【鈴木英生】

 原稿は00年、中央公論新社の社屋引っ越しの際、廃棄予定の書類の山から同社関係者が掘り出した。執筆時期は1945年7~8月とみられ、200字詰め原稿用紙318枚分。中島岳志・北海道大准教授(アジア研究)の調査で、未完ながら頭山伝の草稿と分かった。

 大川は革新右翼の代表的論客として活躍し、5・15事件の支援などで国家改造を目指した。頭山は政治結社・玄洋社を設立。伝統的な尊皇思想とアジア主義を掲げ、政界に影響力を広げた。2人は運動の方法論などで大きく違うが、大川は頭山を尊敬していた。

 伝記は明治維新から始まり、日露戦争前までの内容。「尊皇と民選議院とは、表面一致せざるが如(ごと)くにして、実は同一精神に出(い)でて居る」など、明治期の自由民権運動から出発した頭山の思想への支持を述べ、大川自身の立場と重ね合わせている。

 執筆の背景には、戦時中の言論弾圧である横浜事件(42~45年)がある。事件の影響で44年に廃業(戦後に再建)した中央公論社から、朝日新聞社出版部に転職した編集者、佐藤哲男が頭山の死去した同年10月、大川に執筆を依頼。終戦を経て出版が立ち消えとなった後、佐藤は原稿を古巣に託したものの、結局、忘れられたらしい。

 中島准教授は「伝統右翼の頭山を、革新右翼の大川がどう見たかが分かり、貴重だ。大川が自由民権運動を、ナショナリズムの文脈に位置づけていた点も興味深い」と話している。この原稿は「頭山満と近代日本」(春風社)と題し、12月1日に刊行される。

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