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怪獣は御府内に現れない

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 あらためて、わたしが思ったのは、果たしてウルトラマンは東京に現れたのだろうか、という疑いである。何故ならば、ウルトラマンは江戸を引き継いだ東京の範囲には、あまり現れていないからである。
 文政元年(一八一八年)江戸城を中心として、いわゆる朱引きで定められた江戸の範囲(御府内)は、東は荒川に及んでいるが、西は現在の区制でいえば、山手線の外はほとんど入っていない。練馬も、中野の大半も、渋谷の一部も、杉並も、世田谷、目黒、品川、大田の各区も蚊帳の外である。
(中略)
 わたしの抱いた疑いは、御府内ではなく、西方の東京郊外に、怪獣や宇宙人やウルトラマンたちが頻繁に現れたのでは、ということだ。撮影所がそっち方面にあったから当り前だ、といわれればそれまでだが。
(中略)
 ウルトラマンは昭和後半の申し子だと思う。アトム、仮面ライダー、マグマ大使、鉄人28号、ガンダムなどなど、とならんで、戦後を彩ったヒーローのひとりである。
 昭和三十年代後半から四十年代にかけては、ヒーローや怪獣があばれるにふさわしい街の佇まいが、東京にはあったのだ。ゴジラが再生して、新宿副都心に立ったときの卑小な感じを見て、怪獣も出現しにくい世の中になった、と思ったことがある。その感じは、現在さらに増幅され、ほとんど怪獣や超人は現代の東京には現れないだろう、という気持ちを抱いている。
 ビルの高さが百メートルを超え、怪獣がそれを蹂躙し、ヒーローと四つに組むと、人間とのバランスはさらにわからなくなる。
    --実相寺昭雄『ウルトラマンの東京』(ちくま文庫、2003年)。

 四年前まで中野坂上に住んでいましたが、久しぶりに訪れると、変化のスピードに驚いた。中野には、大学入学以来、結婚するまで、かれこれ十五年近く住んでいましたが、あれよあれよと駅ビルがそびえたち、木造の安アパートが壊され、瀟洒なマンションへと再開発がすすみ、かつての面影がなくなりつつある現在です。

 仙人のような暮らしをしていると変化のスピードについていけない宇治家参去です。
 今日は子供が風邪で幼稚園をお休み。
 懐かしい怪獣消しゴムで遊んでいました。

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著者:実相寺 昭雄
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