『新しい人間』をわたしは歌う
情熱、脈搏(みゃくはく)、活力、すべてにおいて測りしれぬ『いのち』をそなえ、奔放自在(ほんぽうじざい)な振舞いができるよう神聖な法則どおりに造られた、陽気で『新しい人間』をわたしは歌う
--W.ホイットマン(酒井雅之訳)「『新しい人間』をわたしは歌う」、『草の葉』(岩波文庫、1998年)。
高らかに「新しい人間」を歌ったホイットマン。
アメリカン・ルネサンスを代表する大詩人は、みずみずしく人間の生を謳いあげた。
その詩は、読み手の魂を今なお揺さぶり続ける迫力をもっている。
今日、ひとりの青年の新しい人生の船出を祝福した。
その彼にホイットマンの詩を捧げたい。
その青年は「新しい時代」を担う「新しい人間」だ。
わたし自身もそうである。
自分自身が「新しい人間」となり「新しい前進の波」を起こしていく。
進めば波が起こり、波浪になるのは当然だ。
進めば進む分、波浪は勢いを増す。
ホイットマンの人生もそうであった。
彼の出版した詩集の評判はさんざんであったという。
では、かの詩人は、意気消沈しただろうか?
否である!
いよいよ朗らかであり、ますます意気軒高であったという。
「攻撃」には「反撃」で、「挑戦」には「応戦」で先駆の道を切り開いた生涯であった。
波浪をのりこえ、栄光の人生を自分自身で掴んでほしいと切に願う宇治家参去でした。
草の葉 (上) (岩波文庫) 著者:ホイットマン,酒本 雅之 |
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