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Tiffanyで日本酒を

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五一
 いかにして仮象が存在になるか。--役者はしまいにはもっとも深い苦痛にさいしても、自分の役の印象や全体の舞台効果など考えるのをやめられなくなる、たとえば自分の子供の埋葬にさいしてすらそうである、彼は彼自身の苦痛やその現われをみて、自分自身の客観として泣く。いつも同じ役割を演じている偽善者は、しまいには偽善者たることをやめる--たとえば牧師は、青年のころは通常意識的にまたは無意識的に偽善者であるが、しまには自然らしくなり、そのときには本当に、全然気取らなくても、まさしく牧師となり、あるいは父親がそこまで達しないときは、その場合には父親の進み出た距離をりようしてその習慣を受け継ぐ息子が、おそらくそこまで達するであろう。きわめて長い間執拗になにかに見えようとするとき、なにかその他のものであることがしまいに困難となる。ほとんどどんな人の職業も、芸術家の職業すら、偽善というもので、外からの模倣で、効果のいちじるしいものを模写することではじまる。いつも親しげな表情の仮面をつけている者は、しまいには、親しさの表情をとってつけるのにないではすまぬ好意的気分というものを左右する威力を獲得するにちがいない、--そしてしまいにはまた、こういう気分のほうが彼を左右する威力を獲得する、彼は好意的な存在である。
    --フリードリッヒ・ニーチェ(池尾健一訳)『人間的、あまりに人間的I (ニーチェ全集5)』(ちくま学芸文庫、1994年)。

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仮象を実体化させ、その物自体に籠絡されている、道学者とはほどとおい宇治家参去です。

さて今日は、アクセサリーの話でもしましょう。ちょうど、修理に出していた手巻きの腕時計が直って戻ってきたので……日常ネタでもひとつ。

機械式の時計を集めているわけですが、そのひとつのが50年代のTiffanyの手巻腕時計です。昨今は、大振りな腕時計が流行っていますが、こ振りでかわいらしい男女兼用の腕時計です。もちろんROLEXやOMEGA、SEIKOの上位機種のようなウン十万円もするような時計ではありませんが、いやらしさを感じさせず、かといってチープではなく、それとなく品性のある腕時計です。

Tiffanyらしいとでもいえばいいのでしょうか--。
オーナーの満足度を充たしつつ、それなりの実用性があるところが気に入っています。そういうTiffanyが比較的、好みですので、アクセサリーは、なるべくTiffanyを使うようにしています。

「男がアクセサリーとは何事ぞ!」

男性諸子の誹りを承知ですが、アクセサリーと言っても、カフスとかボールぺン、キーリングに、本の栞程度です。

なんだかんだほめていますが、Tiffanyでよいところは、数千円から購入可能というリーズナブルさかもしれません。ボールペンなんか何千円で買えますし、ペン軸を交換すれば、何年もつかえる。まさに「物を大切に!」を先取りしたような(?)「お買い得」な買い物です。

さて、そんな中で一番気に入って常用しているのが、Tiffanyのビーンズライターです。

「Tiffanyといえばシルバー925だろ!」

またまた誹りを受けそうですが、珍しい(?)ブラスです。
最初はシルバーを使っていましたが、実は酔っぱらって、どこかに放置してしまったため、シルバーではなく、二号機は、一段劣るブラスです。

でも持ちやすく大変使いやすい一品です。これも2万円はしなかったと思います。

Tiffany宣教日記のようで恐縮ですが、Tiffanyは良いですぞ、世の男子諸君。

さ、今日は、Tiffanyの時を刻む音を肴で、「玉の光」(酒魂 純米吟醸)で酩酊のひとときに入ります。

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