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いつもとちがう鳥の声 カタツムリ そして風の音

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鳥の歌声がいつも同じ調子にしか聞こえてないというのは、無頓着な人間の粗雑な耳だけのことです。
    --ローザ・ルクセンブルク(秋元寿恵夫訳)『獄中からの手紙』(岩波文庫、1982年)。

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獄中のローザ・ルクセンブルク(Rosa Luxemburg、1871-1919)がおさな友達に宛てて書き送った手紙を読む。第一次世界大戦末期のドイツ革命の渦中で、惨殺された女性革命家として知られる人物です。ただし、レーニンの指導したロシア革命のような、プロレタリア独裁には終始批判的であり、革命の後でも民主的自由は尊重されなければならないと説いた人物で、いわば極右・極左の両端から疎まれた人物です。共和国誕生の前夜、そのどさくさにまみれてフライコール(Freikorps、ドイツ義勇軍と呼ばれる民兵組織)に惨殺されてしまいます。なにか彼女の足跡をみていると、本朝のアナキスト・大杉栄(1885-1923)を彷彿させるものがあります。

さて、書簡集を読んでいると、そうした闘う女性であったにもかかわらず、みずみずしい感受性と、繊細で心温かな人間性に驚いてしまう。しかも、自然や書物、そして人間に対する眼差しが逆境のただ中であっても少しもかわることがないのである。

いや、闘う女性だったからこそ、どのような局面であっても、変わらぬ丹念な心遣いや繊細な感性があったのかもしれません。

と……、仕事と仕事の合間に読んでいたわけですが、その静寂をやぶるのがやはり息子さんです。幼稚園から帰ってきたようですが、なにやらお土産です。

帰りに捕まえたのでしょうがカタツムリです。
恐らく本人は恐がりなので、細君が捕まえて運んできたのでしょう。

何に対しても興味を示すのはよいのですが、あまり持ち帰ってきて欲しくない1品です。
おそらく、大人が興味を示さない「鳥の歌声」や「風の音」は彼にとっては「いつも同じ調子」には聞こえないのでしょう。

しかしできれば鑑賞(観照)するだけで済ませてください。

世話をするのはコチラになりますので……。

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 すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。
    --アリストテレス(出隆)『形而上学 (上)』(岩波文庫、1959年)。

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“知ることを欲する”から仕方がないのかも知れません。

ただ、どうせなら、梅雨の季節に捕まえてくるべきでしょう。
その方が風流だとは思いますよ、息子さん。

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Book 獄中からの手紙 (岩波文庫)

著者:秋元 寿恵夫,ローザ・ルクセンブルク
販売元:岩波書店
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形而上学〈上〉 (岩波文庫) Book 形而上学〈上〉 (岩波文庫)

著者:アリストテレス
販売元:岩波書店
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コメント

きんぎょです。
早速お返事をいただきまして、感謝しています。
どうもありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

 ところで、お酒のことですが、
 日本酒では、天狗舞か浦霞
 ビールは、サッポロ・黒ラベルかクラシック
 焼酎は、薩摩のイモならなんでも!

  ゆっくりとお話ができる機会があったらいいなーと思ってます。
温泉はちょっとうるさいですよ。(ははは。)
意外と秩父の鉱泉もいいのですが。
以前、秩父事件の首謀者が使ったという「密談」の
宿に行きました。赤い色の温泉で秩父の吉田にありました。
肌はすべすべになります。
 どうも失礼しました。

投稿: きんぎょ | 2008年9月19日 (金) 22時21分

きんぎょさんゑ

いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。
また勉強になりました。ヘタレ小僧の青二才ですが、こちらこそどうぞ宜しくお願いします。

で……。
天狗舞とサッポロの組み合わせは渋すぎますね。

通は山廃でSAPPOROですね!
自分も大好きです。

本当に、すこし状況が落ちつきましたら、またいっぺいやりたいですね。
そのときでも結構ですので、その秩父の温泉とやら……是非教えて下さいね。
自分は伊豆半島ばかり攻めていたので、関東近県全く門外漢です。秩父なら日帰りでいけそうなので、ひとりでこそっーと行ってみようと思います。

投稿: 宇治家 参去 | 2008年9月20日 (土) 00時52分

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