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【ご案内】10/25-26:秋期スクーリング,『倫理学』

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 一七 人間は心から喜んで善を欲し、また子供は心から喜んで善に耳傾けるものではあるが、併しそれは教師よ、汝のためでもなく、教育者よ、汝のためでもなくて、のだ。汝が子供を導く目標である善は、汝の気まぐれや発作的の思ひつきを許すものではなくて、事柄の性質上それ自身善でなければならないし、また子供に善として解つてゐなくてはならない。子供は善を欲する前に、自己自身の身辺の事情なり自己の必要なりから汝の意志の必然性をしみじみと感じてゐなければならない。
    --ペスタロッチー(長田新訳)『隠者の夕暮 シュタンツだより』(岩波文庫、1943年)。

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週末には、宇治家参去の担当する、通信教育部の『倫理学』の秋期スクーリングがあるので、仕込みを念入りにやっておかないといけないのですが、遅々としてすすまず。
市井の仕事と短大での講義、それから自分自身の研究で一杯一杯なのですが、それはそれで、自己自身の問題でありますので、そうした部分で「できなかった……」などと言い訳もしたくないので、とりあえずは、講義に望む“心意気”?を鼓舞すべく、初等教育の大家にして、教育実践家であったヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチ(Johann Heinrich Pestalozzi,1746-1827)でも繙きます。
※本来は夏期スクーリングが終わった時点で次の為の準備を念入りにやっておけばよかったのですが、例の如く直前になって大童という奴です。

さて倫理学とか哲学の一番といってもよいでしょう……その一番大きなテーマとはやはり、「善」とは何かという問題です。悪を為すよりは善をなしたほうがよいことは誰人も周知の事実であります。しかしなかなかそれが実践できないのも周知の事実であります。ゆえに「人間は心から喜んで善を欲」するのだけれども、それが「教育者よ、汝のため」にやってしまうと、それは崩壊してしまうのでしょう。

なぜなら、「善を為せ」などと言われなくてもひとには「自己自身のために欲」する側面があるからです。そして、まさに「我知らず」自然と「善を為し」してしまうから、人間は「美しい」のかもしれません。

ともあれ、「善を為せ」という訓戒を垂れる前に、自分自身が「善を為」しているのかどうか確認しながら、善の議論を考えていこうと思います。


……というような、内面のプロセスはさておき、ご案内。

すこし告知が直前ですが……。

今週末の土日(10/25-26)、秋期スクーリングにて、倫理学を講じます。
受講される学生さん方がいらっしゃいましたら、どうぞ宜しくお願いします。

で……。
例の如く定型文のような内容ですが……

できれば……といいますか、学生さん方へのお願いです。

これまでの経験実績から察するに、教科書に目を通した上で受講される方が、全体の2-4割前後です。
忙しいとは思いますが、目を通さずに、授業に望まれてしまうと、これはきわめて“MOTTAINAI”状態です。ワンガリ・マータイ博士(Wangari Muta Maathai,1940-)も、まじでぶち切れる?と思います。


さて……
こちらは、読んでいない学生さんの存在を前提に講義をすすめますが、できれば、全編を読んできて!とは申しませんので、序章から1章だけで結構です。ザァーっと目を通してきて頂くと、うれしいです。




さて今回は、履修予定者70有余名。
本当にありがとうございます。

日本を代表する哲学者・西田幾多郎(1870-1945)が、若き日、第四高等学校(現在の金沢大学)で、『倫理学』を講じたとき、友人に「自分は若くて人生経験も少なく、倫理学なんて講じるのは恥ずかしいばかりだ」というようなことを吐露しておりますが、宇治家参去も同じく、ヘタレのチキン野郎で、西田同様に忸怩たる部分はあるのですが、全力で取り組んで参りますのでどうぞ宜しくお願いします。


で……
夜の講義?
あるといいですね(謎)。


とりあえず、今日は仕事、仕事でヘロヘロなので、薬(akadama sweet waine red)呑んで寝ます。

これは酒ではなく、“薬”です。
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Book 隠者の夕暮・シュタンツだより (岩波文庫)

著者:長田 新,ペスタロッチー
販売元:岩波書店
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