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幸福の秘訣は、こういうことだ。あなたの興味をできるかぎり幅広くせよ。

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 私は前の段落で、私のいわゆる物に対する友好的な興味についても触れた。こういう言い方は、あるいはこじつけと思われるかも知れない。物に友情を感じることなどできっこない、と言われるかもしれない。にもかかわらず、地質学者が岩石に対し、考古学者が廃墟に対していだく興味には、どこか友情に似通うものがあるのであって、こういう今日意味こそ、私たちの個人や社会に対する態度の一要素でなければならない。物に対して友好的というよりも、むしろ、敵対的な興味を持つこともないわけではない。ある人は、クモが大きらいで、クモのあまりいないところで住みたいばかりに、クモの棲息地に関する事実を集めるかもしれない。この種の興味は、地質学者が岩石から得るのと同じような満足を与えてくれはしないだろう。人間以外の、物に対する興味は、日常的な幸福の要素としては、あるいは仲間の人間に対する友好的な態度ほど価値あるものではないかもしれないが、やはり、きわめて重要である。世界は果てしなく広く、私たち自身の力は微々たるものである。もしも、私たちの幸福のすべてがまったく個人的な環境と結びついているのであれば、どうしても、人生に与えられる以上のものを人生に求めるようになる。そして、あまりに多くを求めることは、得られるものも得られなくなるいちばん確かな方法である。たとえば、トレント公会議や、星の生活史などに本物の興味を持つことで、おのれの心配ごとを忘れられる人は、非人間的な世界への旅から帰ってきたとき、ある種の落着きと平静さが身についていることに気づくだろう。その落着きと平静さによって、彼は、自分の心配ごとを最善の方法で処理することができるし、その間、たとい束のまにせよ、本物の幸福を味わったことになるだろう。
 幸福の秘訣は、こういうことだ。あなたの興味をできるかぎり幅広くせよ。そして、あなたの興味を惹く人や物に対する反応を敵意あるものではなく、できるかぎり友好なものにせよ。
    --ラッセル(安藤貞雄訳)「幸福はそれでも可能か」、『ラッセル幸福論』岩波文庫、1991年。

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終わった!
ようやく怒濤の市井の職場6連勤が無事終了です。

今日はがっつり飲んで、明日は一日中寝て、起きてからまた一杯やろう……ということは夢物語かも知れません。

暦通りの休み中、こちらは仕事であったわけですが、ワタクシが不在のため、家族でどこへ出かけることもなかったら……息子殿には不幸だろう!ということをくどくどと細君より、連日のごとく言われてきた=刷り込まれてきたため、GW最終日の本日、チト朝から出かけてきます。

朝から出かけるということは、当然、深酒ができないといことで、仮に深酒をしてしまうと、睡眠時間がすくないので、極めて体調不良になってしまいますので、今日はかるくひっかけて寝ることにしようかと悩んでおります。

なぜなら、ラッセル卿(Bertrand Arthur William Russell,OM,FRS,1872-1970)がおっしゃるとおり、「いわゆる物に対する友好的な興味」というのは大切なモーメントであります。

いくら辛い現実でありましても、様々なアンティークなアイテムや飛行機の模型をコレクトすることで日夜楽しませていただいているとおりで、そうしたそうした物収集だけでなく、様々な書物と向かい合うことも幸福の一つであり、付け加えて言うならば、大人用の飲用アルコールの類とも「友好的な興味」の、「オレお前」@江田島という間柄を構築しておりますので、まさに「人間以外の、物に対する興味は、日常的な幸福の要素としては、あるいは仲間の人間に対する友好的な態度ほど価値あるものではないかもしれないが、やはり、きわめて重要」なのだと思います。

ただ、今日はいつもより、黄金色の麦からできた大人用の炭酸飲料とか、厳選された米から抽出された、透き通るような大人向けのミネラル・ウォーターの摂取量をひかえないといけない……というのは、やはり忸怩たるものですが、なんとか我慢しようかと思います。

今回は、また例によって水族館探索になりました。
思えば、昨年のGWも新・江ノ島水族館にいっており、今回は別のところですが、わが家?のGWは何故か水族館になることが恒例時となりつつあるようです。

ただ、一応、明日は昼も夜もないにもないので、今から我慢する分、「昼ビール」させていただこうかと思います。

しかし、ラッセルもうまいことをいうものです。

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 幸福の秘訣は、こういうことだ。あなたの興味をできるかぎり幅広くせよ。そして、あなたの興味を惹く人や物に対する反応を敵意あるものではなく、できるかぎり友好なものにせよ。

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たしかに子供は何にでも興味をもつようで、そこから更に興味が出たものを大人以上に徹底的に追求する傾向が顕著なようなに思われます。もちろんそれは、「何」という問いの連呼や「なぜ」という問いの連呼によって、大人の側は辟易としてしまうわけですが、その意味では、大人は無意識のうちに、世界を問い・関わろうとする姿勢を自省しているのではないだろうかと思うことがしばしばあります。

しかし、そうした場合、自分自身から「世界を狭くしている」わけであって、結局は世界に置かれた箱庭の中だけで、世界全体を論じ、ぶつぶつ文句をいってしまうルサンチマンに陥りがちな事例を多分に散見しますので、ま、今回もひとつ、自分自身も水族館譚法において、「興味をできるかぎり幅広く」もち、「できるかぎり有効なもの」にしていこうかと思います。

……だとすれば、昼ビールの量も減らした方がいいのかしら?

そうすると、何か禁酒スパイラルに陥っていくような感じもしなくはないのですが……。

しかし、何故なのだろうか……「缶ビール」よりも「瓶ビール」の方が旨いのは?
そして、何故なのだろうか……「寝前ビール」よりも「昼ビール」の方が旨いのは?

すこし探究心がふくらんできました。ここに一つの幸福があるのでしょう。

こうしたところから探究が始まるわけですが、あまりここで探究してしまうと数時間後がキツイので、今日はすこしだけの探究にしておこうと思います。

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