旨いもの・酒巡礼記:北海道・札幌市編「海鮮と串焼き 全国の銘酒 札幌 北のさゝや 本店」
わすれないうちに書いてまとめておこう……ということで、【旨いもの・酒巡礼記】札幌編その①です。
いつも食べ物と呑み物……飲み物ではアリマセンヨ……の話で恐縮ですが、身近なものごとに注目し、人間とは何か、そして人間のいきている共同体としての世界とは何かを探究する倫理学者でありますので、その辺はご容赦くだされませ。
5月の中盤……すなわち5月15日の爽やかな札幌で訪れたのがこの「北のさゝや」でございます。
実は……お店の方には恐縮ですが、この「北のさゝや」本店を探訪する以前に「札幌駅北口店」には一昨年の7月訪問していたこともあり、今回の来道では、別の店に行こうと、ぐるナビで別のお店に目星を定めていたのですが、金曜の夕刻ということもあり……
「2時間待ち……」
……との強烈な宣告を喰らいまして、
「それぢゃア、なじみのところへ……」
……というわけで、一昨年、本物のししゃも……ししゃもって魚なんです!ということを実感させてくれた、“間違いのない”“本物”の“肴”を出してくれた「さゝや」へ行くか……ということで、札幌駅北口の「さゝや」へ向かおうと思ったのですが、家庭的な北口店へは一昨年訪問しておりますので、それと目と鼻の先にある「海鮮と串焼き 全国の銘酒 札幌 北のさゝや 本店」の方へ訪問させていただいた次第です。
地下鉄の札幌駅の駅地下とでもいえばいいのでしょうか……、駅出入り口の地上から入ったB1に店舗があるわけですが、さすがに金曜日ですので、大きな宴会が4、5件入っていたようですが、「怯まず」のれんをくぐり、
「お一人様ですか」
「ほいな!」
……ということで、カウンター席で一息。
先ずは取り急ぎ、サッポロ黒ラベルの中ジョッキでひといき、お通しは、貝柱、きゅうりの和え物に三つ葉をのせたやつですが、貝ばしらが「臭くなく」これだけでも「めっけもの!」というやつで……、一瞬で中ジョッキが「蒸発」してしまいましたものですから、もう1杯お願いすると同時にオーダーです。
北海道で飲むビールは実に最高なんです。
ビールには揚げ物があいますので、まずは追加と同時に、「さきいかのてんぷら」をオーダーしますが、ハーフサイズというのがあったのでそちらにして、ぱらぱらと「おしながき」をめくっていたのですが、ビールといっしょに出てきた「てんぷら」様は、とてもとてもハーフではなく、
「皿からあふれてるやんけ!」
……という状況で、ハーフにして正解で御座いました。
今回の来道では、肉をメインに!と決めておりましたので……といいますか、地魚がよく分からない?トホホ……、その金科玉条で、オーダーです。
刺身も普段やりますから、食べなくはないのですが、ひとつのお魚で1枚程度がちょうどよいので、単品で頼むと多く、盛り合わせでやるとたべきれないので……
先ずは、「道産牛ヒレの串焼き」!
はっきりとまずいいましょう。
北海道はジンギスカンに代表されるように「羊」で有名ですが、実は「豚」が一番旨いのでは……と体験的に察知しております。
ですから、前回の訪問では、豚と鹿のみで、「牛」を注文しておりませんでした。
やっぱ、今回は「牛ぢゃ!」ということで「串焼き」をエントリーしたわけですが、
これもはっきりといいましょう。
「串に刺さった“ステーキー”でした」
串ですから、油がぐつぐつする鉄板を引いてない分、さっぱりとしてい、マスタードをからめ、醤油ベースのタレにつけると、大地に感謝・悶絶というながれで……。
牛串をふうふういいながらやっておりますと、知床鶏のもも、ささみ梅肉の串が運ばれてき、今回は「おしながき」を拝見しつつ、「なんぢゃこりゃ!」という「お名前」を拝見した「ポンポチ」なるものをご同伴で、牛を終えると今度は、鶏とのチキンレースの始まりです。
注文する際、給仕のお姉さんに「このぉ~、“ポンポチ”とは何なんでございましょうか?」と伺ったのですが、そこで間髪入れず、目の前で串を焼き、料理を仕立てるお兄さんがご説明!
「ポンポチとは鶏のしっぽですよ!」
……とのこと!
チャレンジャーですので、オーダーしてみましたが、精確には……恐らく……しっぽの付け根の肉なのだと思いますが、しっぽがよく動いておりますから、これが噛みごたえがあるにもかかわらず柔らかくてジューシー、焼けて固まった表面の皮膜が口のなかでやぶれると、えもいわれぬ肉汁に合掌です。
しっぽ万歳!
その辺で、冷酒をお願いして、(生)ししゃも焼きを頼んで、一服入れていると、カウンター越しのお兄さんと談笑に!
旅先ではこういうやりとりが最高の肴です。
別に何を話す、これを話す、深いナイーヴな話をする!というわけではありませんが、とりもとめもなく、
「北海道は道路がひろいですよねえ」
「ですけど、冬は雪で道路が半分になっちゃうんですよ!」
……などというやりとりが、なんともいえません。
ちなみの極めて蛇足ですが、この青年のお兄さん、なんともさっぱりとした好青年ですが、たのもしいのですが、饒舌でも木訥でもなく、ありがとうございました。
またまたちなみにですが、この「さゝや本店」も本格だよな!と思ったのは、きちんと焼き物と生ものの厨房をわけていることで、そこにひとり頷く宇治家参去です。
で……
「今日はとっときの豚があるんですが1本どうですか?」
……などと振られてしまうと、
そりゃあ貴方!、ことわれませんよネ!
焼き鳥でいうといわゆるタレではなく「塩」の串トンです。
ただし、肉が新鮮で、なにか下ごしらえをしているのでしょうか……なんとなく旨みを引き出すタレに薄く浸して、それをあぶって発散させながら「塩」串にしているようで、さっぱりしているのに、あとに引く……。
もう1本注文させていただきました。
そんなこんなで、出てきた「鵡川産子持ちししゃも」は、スーパーなんかで売っている格安物件で、6-10本の目玉を抜いたよれよれのしなびたそれではなく、「お魚」の「ししゃも」で、これが、マア、柔らかいんですよ。そして、「魚の味」がしてしまうんです。
ほどなく出てきたのは、「じゃがバター」!
キタ----!
……って感じですが、出てきたジャガイモが拳大なんですよ!
付け合わせに、自家製塩辛なんですが、宇治家参去はナイーヴなチキン・ボーイですので、「塩辛」がNGで、塩辛がまったくいけるひとは、それをソースにあつあつの大地の恵みたるじゃがいもをやるんだろうな~などと省察しつつ、
……最初に頼んだ、さきいかのてんぷらがいっこうにへりません。
いかはさめても味があとに響くように旨く、喉が渇くというやつですので、
ですから地酒を注文するわけですが……。
今回は1時間弱で、
生(中)×2
おちゃけ×5合
……ほど頂戴してしまいました。
しかし、それほど呑んぢゃうんですヨ! 「さゝや」に来てしまうと! 頂いたのは以下の通りです。ロディアにメモっておりますので間違いありません。
乾坤一手造り(宮城) 純米吟醸
雅山流 如月(山形) 大吟醸
刈穂 (秋田) 山廃純米
〆張鶴 (新潟) 吟醸
久保田 萬寿(新潟) 純米大吟醸
……なんで5合も1時間でやっちゃうって申しますかと、肴が押し勧めてしまう必然条件はあるわけですけれども、はっきりいうと、酒が安いんです!
財布という絶対条件の間口もゆるくなってしまうというわけで、東京だと本醸造の一の蔵、浦霞あたりが600ー700円あたりで流通しておりますが、ここだと、420円。久保田の千寿が550円で、萬寿が1000円デスヨ! 親分!
久保田の萬寿なんか東京で呑もうと思えば安いところで1500円、平均的には1800ー2000円を取ることを考えると、これはもう「呑まずにはいられない!」
……というわけですが、
会計はこれで7000円程度。
ありがとうございました。
ちなみに、この「北のさゝや」ですが、札幌市にある本店、北口店以外に実は東京にも存在します。「おいしい肴とうまい酒 居酒屋 北のささや 八重洲店」がそれにあたります。
在京で興味のある方は、いっしょにいっぺえやりますか?
■海鮮と串焼き 全国の銘酒 札幌 北のさゝや 本店
〒060-0807 北海道札幌市北区北7条西1 NSSニューステージ札幌ビルB1
011-717-0338
営業時間(ランチ) 11:00~14:00(L.O.13:30)
(ディナー)17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:日曜日、祝日
http://r.gnavi.co.jp/h080900/
ささいかと牛ヒレの串です。
前者はこれで350円!
牛ヒレは、上等な道産ステーキでした。
ポンポチ……って不思議な名前でございます。
しかし、コリッっとしているのですが、歯をいれると至極柔らかく、味わい深いんです。
で……豚。
臭くない!
旨みの固まりです。
そんで最後の……
子持ちししゃも!
……魚でした。
じゃがバター!
こぶし大デスヨ、これ!
塩辛がいけるひとがやるとばやいでしょうねええ。
ともかく、地酒がリーズナブルすぎです。
東京でやると1萬円越えていたと思うのですが……。
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