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記号、色、それはひとつの賭け

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つねに名付けること
     ボブロフスキー

つねに名付けること、
木を、飛ぶ鶏を、緑に流れる川の
赤らむ岩を、
森越しに夕闇が降りてくるとき
しろい煙につつまれる魚を。

記号、色、それはひとつの
賭け。ぼくは考えこんでしまう、
ぴったりうまく
けりがつかないかもしれない。

だれが教えてくれるだろう?
ぼくが忘れてしまったことを。石たちの
眠り、飛ぶ鶏たちの
眠り、木々の
眠り、--暗闇に
それらの話し声がするのに--?

ひとりの神がいて
肉体に宿るなら、
そしてぼくを呼ぶことがあるとするなら、
ぼくはさまよい歩きもしよう、
少しのあいだ待ってもみよう。

Immer zu benennen
            J.Bobrowski

Immer zu benennen:
den Baum, den Vogel im Flag,
den rötlichen Fels, wo der Strom
zieht, grün, und den Fisch
im weißen Rauch, wenn es dunkelt
über die Wälder herab.

Zeichen, Farben, es ist
ein Spiel, ich bin bedenklich,
es möchte nichte enden
gerecht.

Und wer lehrt mich,
was ih vergaß: der Steine
Schlaf, den Schlaf
der Vögel im Flug, der Bäume
Schlaf, im Dunkel
geht ihre Rede--?

Wär da ein Gott
und im Fleisch,
und könnte mich rufen, ich würd
warten ein wenig.

    --生野幸吉・檜山哲彦編『ドイツ名詩選』岩波文庫、1993年。

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ちょい、また頭に来ることが社会的にあり、また市井の職場的にもあり、壁パンチをやってしまい、パンチに繰り出した拳に軟膏をぬる宇治家参去です。

エア・パンチか段ボール・パンチにしておけばよかったです。

詳細はおきますが……、

完全な理念とか理論なるものは存在しえません。
まさにスピノザ(Baruch De Spinoza,1632-1677)が言うとおり「永遠の相のもとに」見ることができるのは神しか存在しないのでしょう。
しかし、どこか、理念とか理論が現実を牽引していくという側面に注目する中で、自己自身を神であると認識してしまうと、理念とか理論が現実とかけ離れ一人歩きしてしまいます。

その対極にある理念的な契機を失した現実全肯定主義も同じです。
ずるずるべったりという現状を把握するという自己認識は必要です。
しかし「シカタガナイ」として現状認識を現状容認とはき違えてしまうと墜ちるところまで墜ちてしまうのが人間の日常生活世界です。

必要なのは、現実から理念や理論へ至ろうとする努力であり、理念や理論から現実に内在していこうとする勇気の慈悲だろうと思います。

それをあれかこれかの両極端にわけてしまうところに人間世界の悲劇があるのかもしれません。

自分自身としては「仙人になりたい(専任になりたい)」という願望を大切にしながら、涼しい顔して生きている自覚があり、ジェントルマンな風貌をうりにしておるわけですが、そうした憤りとかパンチを繰り出している自分をあとになって勘案するなら、なんか汗くさい熱血漢のようにも覚え、チト反吐が出そうになるのですが、マア、温かい生き血の流れている人間なんだよなと思う次第です。

「記号、色、それはひとつの / 賭け。ぼくは考えこんでしまう、 / ぴったりうまく / けりがつかないかもしれない」からこそ、賭けには自覚的責任がつきまとうはずなのですが……。

で……。
本日の蕎麦? 側?

大学へ出講する折り、乗り換え列車の都合で、立川で降りたのですが、そこの「奥多摩そば」より「きのこちくわ天そば」を頂いてきました。

奥多摩そばといえば、むか~し、青梅の奥地の茶屋で頂いた記憶があるのですが、無骨な麺ながらも、食べ応えのある蕎麦だよなという思い出があるわけですが、それを駅蕎麦で再現できるはずもないのは承知で一杯ですが、駅蕎麦以上本格蕎麦未満というかんじで、それなりに堪能させていただきました。

つなぎの小麦粉が若干多めなのでしょうが、なんとなく、田舎蕎麦という風情で、山手線関係の駅蕎麦では味わえない駅蕎麦というのが乙なものです。

……などと書いていると、まあ、心に平安は取り戻したということでしょうか。

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