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次号「以降」ですから、次号という「必然」はなく……

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(引用者註……時間が短いと嘆く人に対して)しかし、われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くは浪費しているのである。人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。けれども放蕩(ほうとう)や怠惰のなかに消えてなくなるとか、どんな善いことのためにも使わないならば、結局最後になって否応(いやおう)なしに気付かされることは、今まで消え去っているとは思わなかった人生が最早すでに過ぎ去っていることである。全くその通りである。われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。われわれは人生に不足しているのではなく濫費しているのである。
    --セネカ (茂手木元蔵訳)『人生の短さについて 他二編』岩波文庫、1980年。

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今から考えると市井の仕事の休憩中に古代ローマの哲人政治家・セネカ(Lucius Annaeus Seneca,B.C.1-65)なんて読んでいなければよかったと思うわけですが、あとになってみるとよかったということにしておこうと踏ん切りをつける宇治家参去です。

夜半からの暴風豪雨の影響で、市井の職場も……すなわちGMS店舗ですが……閑古鳥のため、今日はゆっくりと本が読めるな!と思っていた矢先、細君より不幸のメールが到来です。

よく言われますが……ワタシダケ?……「Amazonは忘れた頃にやってくる」というわけで、だいぶまえに注文を入れていた書物が宇治家参去の出勤後、到着したご様子のようで……。

それが数千円のやつなら何も問題はなかったのですが、フランス語の洋書で、2万円近くするヤツの代金引換の配達のようでして……

「なんで、お金をおいていかなかったのか!」

いわゆるクレーム・メールというやつです。

たしかに配送のお知らせのメールは見ていたのですが、なんとなく酒飲んでスルーしていたようで「なんかくるんだよな」という程度の認識で、詳細を把握しておらず、「不祥事」となった次第です。

明日にでもお返ししますので、お許し下さいまし。

さて、到着したのは、フランスのカトリック思想家でトミズムを代表するジャック・マリタン(Jacques Maritain,1882-1973)の全集の第3巻なのですが、これがべらぼうに高いわけで、立教の図書館には所蔵されていたとは思うのですが、洋書の場合、あれこれと書き込みが多くなるので、なるべく自前で手に入れるようにはしております。

しかし、なんで、ジャック・マリタンの著作なんか頼んでいたんだっけ?

たしか、ジャック・、マリタンを師匠と仰ぎ、神学研究を続けたカトリック思想家・吉満義彦(1904-1945)の研究の仕込のためだよな……

……などと思い起こすと、ちょうど昨年上程した論文「吉満義彦の人間主義論 --近代批判とその神学的根拠(1)」、『東洋哲学研究所紀要』(第24号、2008年)の続編執筆のために必要不可欠な資料だから注文したような記憶があるのですが……。

……と、そこまで思い出すと、

これまた「やばい」事態を自覚する宇治家参去です。

「三歩あるいて忘れる」よりも「一杯飲んだら永久に忘れてしまう」宇治家参去なんですが、このときばかりは、大切なことを思い出し、研究所の紀要論文のエントリー〆切が今週中だった……という一大事を発見です。

ちょうど締め切り直前の通信教育部の「倫理学」のレポート57通も済ませ、安心モード全開だったのですが、またまた追い込まれモード全開となり、今日か明日にまとめようかと思っております。

本当に七転八倒です。
ひとりバックドロップです。

ただ、どうするべ!

……というのが実情です。

これからフランス語を1400頁読むのも、まさに「時間」がなく、かといって丁寧に系譜の探究をスルーして適当にまとめるのもマズイよな……という事態に悩み多き丈夫(ますらお)というわけですが……。

いずれにしても、1年1本は論文をと決めてここ5-6年はこなしてきたので、なんとかしたいのですが……、悩んでいても始まらないので、その(1)をふり返ってみたところ、その2は「次号以降に収載する」ようなことを書いていたことを発見し、ひとまず安堵です。

次号「以降」ですから、次号という「必然」はなく、次々号でもいいのでは……とひとまず「解釈」し、別の専門誌に載せようかと半分以上完成している論文をエントリーしようかと決断です。

なにぶん、この紀要の論文の〆切が9月末なのですが、11/1が博士論文の提出〆切、その直前の土日が秋期スクーリング、その数週間後が息子殿の入試と、秋は忙しそうなので、今回はこれにて「ゴメンナサイ」という体たらくです……が、なんとか、博論も、授業も、家庭の事も、ひとつひとつは積み重ねて行かねば--というところで、いいところにおちつく配分をすぱっとできたのでは!……といことにしておきます。

とわいえ、吉満論文のその(2)もきちんとやっていきたいので、とりあえず、今日からマリタン全集、毎朝10頁だけは読んでいくようにしておきます。

ホンマ、「時間がない」と倫理学の荒野で慟哭する宇治家参去ですけれども、実のところ、セネカの言うとおりで、「われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。われわれは人生に不足しているのではなく濫費している」のがその実情なのでしょう。

先週はSAPPOROビールばかり鯨飲しておりましたので、今日は地域的にその対極にある「ORIONビール」(Asahiビール)でも飲んで寝ますです。

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コメント

突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/french/

もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/french/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
G6bMFJe9

投稿: sirube | 2009年5月25日 (月) 08時33分

G6bMFJe9様……でよろしいのでしょうか、

あまり直接的な訳……もとい役にたたないかもしれませんが、相互リンクの登録させていただきました。ココログですので、トップページからのマイリストというカテゴリーからリンクページに入るようになっております。

どうぞ宜しくお願いします。

ドイツ語よりはフランス語の方が達者です。

投稿: 宇治家参去 | 2009年5月26日 (火) 03時42分

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