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気合いの冴え

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 一本一本のオールを流さないこと、誤魔化さないこと、それはむしろ、いわるべき言葉ではなくして、筋肉によって味覚さるべきものである。疲切った腕がなおも一本一本のオールを引切って行くその思い気分は、人生の深い諦視と決意の底に澄透れる微笑にも似る。この微笑気分はよき練習と行きとどいた技術の訓練においては特殊の「冴え」をもたらすものである。オールあるいは水に身を委ねた心持、最も苦しいにもかかわらず、しかも楽に漕げる境、緊張し切った境に見出す弛緩ともそれはいわるべきものである。あるままに思切り振舞って、しかもあるべき調子に乗って行く気分である。それはいわば骨(こつ)、気合いの冴えとでもいわるべきものである。耐えることは最早放棄しか有得ない極みにおいて、何物かに身を委ねる。それはフォームといわんにはあまりにも流動的である。成長するモルフェの瞬間的な把捉であり、時そのものの特殊な実存的深化である。
    --中井正一(長田弘編)「スポーツ気分の構造」、『中井正一評論集』岩波文庫、1995年。

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どうも宇治家参去です。

エンジンがかかるのが遅かったですが、5月から7月にかけては自分自身としては、本業、市井の職場、家庭、社会活動等々……マアよくがんばったナと思わざるを得ないのですが、貧乏暇なし……ということで、仕事ばかりがつづくもので、なかなか休む時間がありません。

まだ若いですし、それはそれで「マア、なんとかするサ」という諦念……普通ならば「楽観主義」と表現する方が文意は正しいのでしょうが、宇治家参去の場合それはやはりどうしても「諦念」というのが相応しかろうと思います……にて難局をのりきる毎日です。

仕事・仕事の合間に種々、難行をこなしておりましたが、さすがに仕事が続くとキツイのですが、人もいないので休むわけにもいかず、休んでしまうと銭が減るし、大学の授業の場合、補講になりかえってきつくなってしまう……という負のスパイラルですが、なんとか仕事もぶじ一山越え?、大学の講義もあと1回で定期試験ということで、ようやく自分の時間がとれそうです。

今日の仕事もきつく、痛風が原因なのか、それとも市井の職場でレジを打ちすぎたためのストレスおよび立ちっぱなしが原因なのか不明ですが、両足が爆発すべく鈍痛が走るのですが、なんとか無事終了ということで、ようやく休みの水曜日です。

火曜にフラフラになりながら来週の授業の準備も澄ませましたし、来週返却予定のレポート添削も終え返却しました!

論文の資料解読もひとくくりおわり、つぎの山脈への登攀準備が整いました!

なにか、一抹の「筋肉によって味覚さるべきもの」を味わっている状況です。

ふう、疲れた!というよりもむしろ、さあ来い!

……という感慨にて、美学者・中井正一(1900-1952)が美しく描いたように、「疲切った腕がなおも一本一本のオールを引切って行くその思い気分は、人生の深い諦視と決意の底に澄透れる微笑にも似る」とのごとく、笑みすらこぼれてきそうです。

ただし、今日はチト痛飲してがっつり休もうと思います。

いつまでも走りきるほど、若くもないものですから。

……ということで?

24時過ぎに職場からの帰宅途上、道路にて、もさもさ動くカブトムシと遭遇です。

「気合いの冴え」にて発見できたのでしょうか。
「ここは東京なんだよな?」

……などと思いつつ、一枚取ってしまいました。

私淑する稀代の写真家にしてライカつかいのアンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson,1908-2004)には叱られてしまいそうです。

ブレッソンは被写体と向かい合う際、なるべくカメラを意識させないように極限まで配慮した作風で有名で、決してフラッシュを使わなかったといいます。

「(フラッシュ撮影は)コンサート会場にピストルを持ち込むことだ」というフレーズは有名ですが、その禁をやぶってしまいました。

しかし、お陰でカブトムシの「画」は「記録」されましたが……まあ、いいですかね?
相手が人間ではありませんから……という発想が人間中心主義を招いているのは承知なのですが、今日はお許しを!

……ということで?

本日は、秋鹿酒造@大阪府の「秋鹿 特別純米酒 千秋 バンビカップ」を楽しませて頂きます。

鹿の絵柄が、カップを再活用させてくれる活力を提供してくれるものですが、久し振りに山田錦を酒米とした純米酒を頂きましたが、これはこれでなかなか濃厚かつ鮮烈な味わいに驚きです。

肴は、大好物?の冷や奴。
こちらは、男前豆腐(株)@京都府の「男の3連チャン」でやってみましたが、大豆の味が濃すぎて、鮮烈な日本酒にちょうどよい具合です。

……っていつも酒の話ですいません。

豆腐も日本酒も痛風には大敵なのですがねえ。

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