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わがためにくる秋にしもあらなくに 虫の音きけばまづぞ悲しき

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わがためにくる秋にしもあらなくに 虫の音(ね)きけばまづぞ悲しき
    --「巻第四 秋歌上 186」、佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫、1981年。

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昨日より市井のどうしようもない仕事が開始しました。
マネジャーであるにもかかわらず、例の如く数時間のレジ打ちに投入されましたが、かえってといいますか、ぎゃくにといいますか、新鮮であり、潤いがあり、楽しく?レジ打ちさせて頂いた宇治家参去です。

もちろん、レジ打ちが主たる業務ではありませんですので、そこで裂かれた時間分はあとへと繰り越しといいますか、残業といいますか……市民社会の営利企業の常でございます。

さて……
数日来、通観していたのが、秋の訪れ。

東京では日中はまだまだ30度オーヴァーな夏日が続いておりますが、夕刻を過ぎると、風に秋の音を感じ、木霊する虫ゝの囃子が季節の移り変わりを反映しているようでして……、職場に到着しますと、7月第1週に発注をかけていた秋の風物詩KIRIN「秋味」がプロモーションコーナーにて展示販売がばっちりと完成したことに驚くばかりです。

この手の小売業は、季節感に敏感にならないと商売にならない……とてもとても大学で「倫理学」を講じている人間の発言ではありませんがご容赦を! しかしそれが愛されるキャラなのでしょうか?……というわけですので、てきぱきとその風物詩が演出されていたことに、宇治家参去が不在中にがんばってくださったスタッフの皆さんに感謝です。

……ということで、「秋味」(麦芽が1.3倍増・当社比)を早速ゲットしてきました。

きがつくと、カートンといいますか6缶パックが空になってしまった次第で、

「何をやっているのだろうか」

……などと自問しつつ、書物を読んでおりましたが、やはりこうした季節の変わり目には「古今集」だろうということでひもときつつ堪能です。

むかしは、「古今集」よりも「新古今集」の方が、はっきりいえば好きでした。

しかし、この2-3年、「古今集」の方が染みこむわけでして、読めば読むほど酒も進むというわけで重宝しております。

「万葉集」ほどストレートではありませんが、「新古今」よりも華美でなく、その中庸さに惹かれているのかもしれません。

ともあれ、「秋味」は季語にしてよいかと思うほど、「風物詩」として旨い一品です。

出勤時に耳にした蝉たちは、ほとんど日暮蝉になっておりました。
ふとたもとをみやると大樹ではなく、コスモスの枝で、か細く鳴きしきる蝉が一つ。

空はまだまだ炎夏をがんばっておりますが、秋の足音が身近な世界ではおおきく足を踏み始めたようです。

雅号は本名からもじった「参去」ですが、今秋はなにか詩を詠いたくなったひとときです。

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