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タイガーI ミヒャエル・ビットマン仕様

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 第三帝国の十二年間にわれわれに与えられたあの恐ろしい体験を、人々はいつか完全に理解するであろうか。われわれはそれを体験してきたとはいいながら、だれ一人として、これまでそれを完全に理解したものはなかったのだ。なるほどわれわれの運命のあれこれの側面は、しばしばまぶしい照明をあびて、いっけんまったく確実に、われわれの眼前にあらわれてくる。しかし、それらすべてがたがいにどのような関係にあり、またいっそう深いもろもろの原因とどんな関係があるかを、そしてまた、第三帝国の初期にあれほど多くの人々を酔わせたはてしない幻想から、末期の同じくはてしない失望と崩壊にどのようにして移っていったか、また移っていかねばならなかったかを、だれがわれわれにこんにち完全に説明できるであろうか。ドイツの歴史は、解きがたいなぞと不幸な方向転換にとんでいる。しかし、われわれにこんにち提出されているこのなぞと、われわれがこんにち体験している破局とは、われわれの感じからいって、以前のあらゆるこの種の運命を凌駕するものである。
    --マイネッケ(久保俊隆訳)『ドイツの悲劇』中公文庫、1974年。

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仕事の必要上から、ドイツを代表する伝統的な歴史学者・フリードリヒ・マイネッケ(Friedrich Meinecke,1862-1954)の『ドイツの悲劇』を再読しておりますが、この書は、同時代人として第二次世界大戦での悲劇を体験したマイネッケの歴史論とでも表現してよろしいのでしょうが、読み直すたびに実感するのが、記述としての歴史とか、史料批判としての歴史から洩れだしてしまう時代の実相とでもいえばいいのでしょうか……そのあたりの迫力を感じてしまいます。

マイネッケは同書で、ヒトラー(Adolf Hitler,1889-1945)を台頭たせたひとびとの欲望と幻想に注目しながら、その成立と崩壊を読み解いていきますが、同時代人の証言の重さを保ちつつ、自己自身に対する深い内省として吐露された文章には、ものごとをあれか・これかで分断できない、そしてすくいあげることのできない、息吹というものを感じてしまうのは宇治家参去一人ではないのかもしれません。

ここに近代的な歴史学の祖として知られるランケ(Leopold von Ranke,1795-1886)とは異なるマイネッケのマイネッケらしさがあるのでしょうが、やはりそのきっかけは若い頃に影響をうけた、哲学的解釈学者・ディルタイ(Wilhelm Christian Ludwig Dilthey,1833-1911)の感化が大きいのかも知れません。

……そのようなことをぼんやりと考えていると、キャンセルをし忘れたPCが配達されてしまい、まず、財布から大枚が飛んでいくという始末です。

10月あたまに、プレゼン向けには使いにくい!ということで、ポケットにはいる「手放せないPC」と呼ばれvaio type Pを売却し、次のPCを物色していたのですが、出荷のタイミングなど問い合わせるなかで、最初に注文したLenobo(旧IBM)のThinkPad X200s……windows7のからみとBTOで細部をオーダーしたのが原因ですが……がなかなか届かなく、これはまずいということで、ネットブックとかUMPCと呼ばれる部類ですが、高解像度で知られるsonyのwシリーズを保険で予約していたのですが、スクーリングでの使用直前にX200sが到着し、そのまんまセットアップはしたのですが、sonyのwをキャンセルするのを忘れてい、猶予期間もとっくに過ぎていたようで……、到着した次第です。

がっくししながら、お金を払い、それでも新しいものをいじくるのは大好きなので、やはり電源を入れて立ち上げておりますと、またしても、

「ぴんぽ~ん」

……ということで、

「また、金が飛んでいくアレか?」

……ってインターフォンに出てみますと、単なる、ポストに入らない郵便物のようでしたが……。

手にとってちょいと驚きです。

昨年末に、懸賞といいますか……、応募シールを集めて送ったプレゼントが当選したようです!!!

F-toysという食玩メーカーが展開している「モータータンクコレクション」というシリーズの第2弾なのですが、電池で動く第二次世界大戦の独ソの戦車のフィギュアなのですが、販売されていないレアなモデルが景品でしたので、エントリーしたわけですが・・・

「タイガーI ミヒャエル・ビットマン仕様」

・・・というマニアには真涎もののアイテムがあたっちゃいました!!!

お陰様でPCの二重打刻とでもいえばいいでしょうか、そうした事態に頭を悩ませていた心痛が、タイガー戦車の到着によって、雲散してしまうものですから、人間の心とは不思議なものです。

タイガーIとは、ご存じ、第二次世界大戦下のドイツを代表する戦車(Panzerkampfwagen VI Ausf. E [Sd Kfz 181] )で、重装甲・重装備で、戦車の代名詞といっても過言ではありません。

発音としては「タイガー」と読むよりもむしろ「ティーガー」と読む方が原語に近いわけですが、な、な、なんと、その「ミヒャエル・ビットマン仕様」ではありませんか!

ヴィットマン(Michael Wittmann,1914-1944)とは、第二次世界大戦中のドイツ第三帝国を代表する対戦車戦闘の撃墜王で、武装親衛隊の第1SS装甲師団に所属した戦車兵のことです。

撃破数は戦車138両とは、マア、ありえない戦果なのですが、その最後に乗っていた007号のモデルということで……細部まで堪能させて頂いた次第です。

……ってところで?

また、してもハッとしてしまいました。

つねづね、平和と非暴力の伝道師?として活躍しそうした言説をはいているのですが、現実には二律背反におちいっているのかもしれません。

ネオ・ナチでもありませんし、ミリタリストでもありませんし、戦争にはいきたくもありません。

しかし、男はどうしても……

……この手のカルチャーに弱いのかもしれません。

ディテールを堪能しつつ、一喜一憂していた様を観察していたのが細君ですが……

「こんどは何が来たの?」

……というので、

「聞いて、腰を抜かせ! 手に入らない限定モノの、故ミヒェエル・ビットマン武装親衛隊大尉が最後に乗っていたティーガーIだぜ」

「は?」

「は? ぢゃねえだろう」

「くだらない……。いい年こいたオッサンが、なにを玩具に、そこまで知的リソースを注いでいるの?」

細君には理解不可能な世界のようでした。

しかし、細君には理解不可能な世界であるということは、女性の力が、平和構築に関しては根柢として必要不可欠なのかもしれません。

……ということで、本日10月30日は、マイネッケの誕生日のようでした。

いやぁぁ、この食玩……よくできている。

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