生活のすべてを失わぬために、そのごく一部をさくことはいたってあたりまえだ
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生活のすべてを失わぬために、そのごく一部をさくことはいたってあたりまえだ。お腹がぺこぺこにならぬように、日に六時間か八時間を割くこと。あとは、その残りを有効に使おうとする者には有効に使えるものだ。
----カミュ(高畠正明訳)『太陽の讃歌 カミュの手帖--2』新潮文庫、昭和四十九年。
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先月末に大学での通信教育部のスクーリングが終わってから、はじめてのレポートの束が週末に送られてきていたのですが、なかなか目を通すことが出来ず、日曜の日中に内容を確認--朱を入れるのはまだですが--したところひとつの驚きといいますか、喜びがありました。
だいたい1週間~10日分ぐらいをまとめて大学から送られてくるのですが、今回は手元に来たのは21通です。
一般教養の『倫理学』ですから、当然必修科目ではなく、履修してもしなくてもよいわけなのですが、21通というのは、少なくはなく、やや多めの分量といったところでしょうか。
で‥‥、
その喜びといいますか、驚きといいますか、それはレポートの内訳です。
21通中、14通が先の秋期スクーリングの受講者さんの手によるもので、はやいひとは必須となる2通を同時に投函してくださったようでして、スクーリング後にこんなに多く受講者から送付されてきたのは初めてです。
ですから、驚いた次第です。
そして、、喜んだ次第です。
地方でやる場合とか、大学でやる場合によって、履修者数とかもろもろ温度差があるのですが、スクーリング直後に、書きまとめ投函された数としては自分自身の経験のなかでは一番多くとどけられたことになります。
レポートを見るようになってちょうど1年弱ですが、やはり、スクーリングに参加してから送られてくるレポートは、1年経過したとしても、20-30パーセント前後というところが実情です。
*もちろん科目によってはさらにその数値は前後するのでしょうが。
通学制の大学と違い、通信制の場合、やはりレポートがその生命線となってきます。
しかし、それをこつこつとやっていくことは、実に至難の業です。
ですから、スクーリングの際、レポートのポイントを紹介するようにはしているのですが、それでもなかなか難しいのが実情です。
ですから、先のスクーリングでは、レポートのポイントを紹介するだけでなく、
「とりあえず、出してみること!」
--この点を、2日間にわたって力説した次第です。
たしかに、用紙や升目、またパソコンのモニターに向かって文字を埋めていくというのは大変な作業です。
そして圧倒されてしまうことや、なにも思いうかばないとか、これって素っ頓狂なことを書いているのでは--というような疑惑が出て着たりとか、、、種々、レポートを完成させることを頓挫させてしまう要因は山のように存在します。
しかし、
「とりあえず、書いて出してみること!」
これが大切かもしれません。
とにかくいずれにしましても、受講者のレポート提出率があがるための自分自身の努力を怠ってはならない・・・そのように考えさせられたひとときです。
挫けずに、挑戦しつづける姿勢が大切なのだろうと思います。
そのためには、やはり自分自身も挫けずに挑戦しつづけるしかないのだろうと思います。
ただ正直なところ、まさにこれがキツイわけなのですが、キツイということ自体が実は、マア、あたりまえなことなのかもしれません。
カミュ(Albert Camus,1913-1960)がその「あたりまえ」なことをさらっと語っておりますが、このさらっと語った一節には、千金の重みが感じられて他なりません。
自分自身もなかなか論文とか原稿をかくのに時間がない!というのが正直な実感です。
まず市井の仕事、そして学問の仕事によって、「必然的」に「あたりまえ」の「事態」として、時間が「つぶされて」しまい、創造的な仕事をすべき時間がない!と思ってしまうことは正直あります。
しかし、時間そのものが有限--ここでの有限という表現は宇宙論的な意味合いではなく、人間に等しく降りかかるという意味での有限--であるとするならば、その「あたりまえ」の事情をふまえたうえでの、活路を「創っていく」ことが肝要なのでしょう。
……などと思案しながら、帰宅したところ、大切にしていた戦時量産型駆逐艦「松型駆逐艦(Matsu class destroyer」のネームシップ「松」が大破しておりました・・・。
犯人はわかっているのですが、こわされて「あたりまえ」ということを自覚しつつ、ちょいとサミシイ宇治家参去でしたっ。
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