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こいつ、おれを知っているな。だが、おれはこの男を知らぬ

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 その日。長谷川平蔵が〔さなだや〕に寄ったとき、先客がひとりいた。
 店の片隅で、窓から見える大川の川面を凝と見入りながら酒を飲んでいたその客には別だん気にもとめず、平蔵は、はこばれてきた酒をのみはじめたのであるが……。
 ふと、気づくと、その客が亭主に勘定をして「おつりはいりませんよ」といい、土間へ下り立つところであった。
 平蔵は、その客と亭主が土間にならんで立ったのを見やって微笑をうかべた。
 なるほど、のちにきいた蚤の夫婦そのままに、大女の女房にくらべて亭主の庄兵衛は五尺に足らぬ小男なのだが、その客も同様に小男で年齢は四十がらみ。実直そうな風体の、どこかの大店の番頭でもあろうか……とにかく、小さな躰を寄せ合うようにして立った二人に、平蔵はなんとなく微笑をさそわれただけのことである。
 と……。
 その客も平蔵の視線を感じたらしい。
 ちらと、横眼に平蔵を見やった。
 その、自分を見た瞬間の相手の顔の色が、平蔵には気に入らなかった。
 (こいつ、おれを知っているな。だが、おれはこの男を知らぬ)
 であった。
    --池波正太郎「蛇の眼」、『鬼平犯科帳 二』文春文庫、2000年。

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細君が朝から美術館へいくということで、息子殿を幼稚園に送りとどけたあと、そのまま出かけてしまい、独り我が家に取り残された宇治家参去です。

取り残されたとはいえ、そこには重大な任務が随伴するというわけで、細君が息子殿を迎えにいくことができないので、その任務を仰せつけられたわけですが、自宅を出発するのがヒトサン・サンマル(13:30)出発なのですが、

げふげふで起きたところ、手にしていたスピマスのプロフェッショナル(手巻)に目をやったわけですが、なんと!

「15:25」

を示しているではありませんか!

「まぢっスか!」

絶対に、息子殿は泣いているだろうなア~、仕事にも遅れるなア~と思って、取り急ぎ顔をあらい、出かける準備を整えると、居間の電子時計は「10:10」を差している……という状況です。

ひょとして、もう一度、腕時計に目をやると、

「15:25」で止まった状況でしたっ!

要するに、手巻きのゼンマイのエナジーが息途絶えた状況のようでして・・・

汗を拭った宇治家参去です。

さて……

定時に迎えに行くと、息子殿がご学友と遊んでおりましたが、なかなかこのお迎えタイムにいつも違和感を感じてしまう宇治家参去です。

幼稚園独自のお母様文化とでもいえばいいのでしょうか・・・、その勢いに圧倒される始末で、いつもばつの悪さを感じてしまいます。

なんといえばいいのでしょうか、その場所に存在することの違和感とでもいえばいいのでしょうか。

また行けば・・・

「秀くんのお父さん!」

とか

「こんにちわ」

とか、

「いつも奥様にはお世話になっております」

……などと、知らない?ヒトからも声をかけられますので、私淑する長谷川平蔵ではありませんが、「(こいつ、おれを知っているな。だが、おれはこのひとを知らぬ)」というわけで、そこはかとない違和感が加速されるというものです。

マア、ただそうした新鮮な経験を積み重ねることにより、宇治家参去自身の人間観の間口も広げられるというものですから、慣れないものですけれども、アリガタイ経験としておくべきでしょう。

さて、帰宅すると、悪寒が・・・。

やっちゃいました!

幼稚園でまた風邪をうつされた様にて……。

先週と同じパターンの気配ですので、これからチト軽く「アルコール消毒」をしてから、補給用の水分を枕元に置いて寝るしか在りません。

にごり酒にて風邪退治です!

しかしながら・・・

はあ、躰弱すぎ!!

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