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「学問を軽視する国家はその国民を軽視する」のかもしれません

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    哲学・思想系諸学会による行政刷新会議への意見表明

                                                         平成21年12月1日

   税収の大幅な減少が見込まれ、国家予算の適正な構成が望まれる中、行政刷新会議の「事業仕分け」が、予算編成のプロセスの透明化と実効性のある資源配分を目指し、多くの成果をあげていることに敬意を表します。しかしながら、大学での研究・教育に関する予算に関しては必ずしも的を射た論議が行われないままに、見直しや予算の縮減という決定がなされたと考えます。
   私ども哲学・思想系の諸学問領域の諸学会は、大学をはじめとする高等教育や研究機関の基盤的経費と競争的研究資金、及び次世代育成支援の経費が縮減されることなく、むしろ拡充されるよう、政府に強く要請します。
   哲学・思想系の学問・教育は、人類が蓄積した叡知を現代社会に生かし、さらに次世代以降の人々に継承していく責務を負うものであり、国民社会の基礎を形作る営みの欠くべからざる一翼を担っています。その存在意義は日本文化の底力の育成に関わり、表面には現れにくい地道な研究・教育活動の積み重ねによってこそ実現されていくものです。とりわけ、それがどのような効果をあげているかについては、長い時間的経過を視野に入れて、多元的な評価尺度を用いて見積もられねばなりません。
   わが国が成し遂げた未曾有の発展は、基盤的な研究・教育への長期的な投資の成果に他ならず、現時点でこの投資を軽視することは、次世代の人材確保と将来の社会の発展に大きな損失をもたらしかねません。
   以上のことを念頭に置きますとき、この度の「事業仕分け」において、若手研究者育成資金や研究推進のための競争的資金の大幅な縮減が求められましたことは深く憂慮される事柄です。
大学や研究機関における研究・教育活動はこれらの資金によって支えられてきました。
特に、わが国の学術振興関係予算はこれまで理工系のビッグサイエンスを中心に措置されてきたため、人文・社会科学系の財政事情は現在でもすでに危機的状態にあり、その上これらの資金が大幅に縮減されるとすれば、日本の哲学・思想系の研究・教育に甚大な打撃が加えられることになりかねません。
   哲学・思想系の諸学問領域においては研究者の人材育成に長い時間を要します。大学院における研鑚が決定的に重要であることは言うまでもありませんが、大学院博士課程修了後もさらに広く深く力を養っていく必要があります。このことは世界的にも認識が深まっており、各国で博士課程修了後の研究者育成プログラムが充実されてきておりますが、日本の場合、その体制はようやく整い始めてきている段階です。
   競争的研究資金につきましても若手をも含めた共同研究はこの間に次第に増加してきてようやく効果を上げ始めてきたところであり、それなくしては今後の質の高い研究・教育の継続は著しく困難となりましょう。近隣諸国と比べても、近い将来における哲学・思想系の諸学問領域における国際競争力の大幅な低下が懸念されます。
   政府、国会議員、及び政策立案・予算案作成に関わる方々におかれましては、国民社会において哲学的・思想的な構想力がもつ意義を適切にご理解いただき、日本ならではの国際社会に対する学術的貢献がなされますよう、中・長期的視野に立って高等教育・学術研究推進のために財政的な支援を強化されるよう強く要望いたします。

日本哲学系諸学会連合代表  竹内整一                             
日本宗教研究諸学会連合代表 星野英紀
藝術学関連諸学会連合  西村清和

加盟諸学会

  日本哲学系諸学会連合:
    日本印度学仏教学会、日本宗教学会、日本中国学会、日本哲学会、美学会、日本倫理学会

  日本宗教研究諸学会連合:
    印度学宗教学会、京都宗教哲学会、キリスト教史学会、「宗教と社会」学会、宗教倫理学会、神道史学会、
    神道宗教学会、宗教哲学会、宗教法学会、筑波大学哲学・思想学会、日本印度学仏教学会、
    日本オリエント学会、日本旧約学会、日本基督教学会、日本近代仏教史研究会、日本山岳修験学会、
    日本宗教学会、日本新約学会、日本道教学会、日本仏教綜合研究学会、パーリ学仏教文化学会、
    佛教思想学会、佛教文化学会、豊山教学振興会 
      
  藝術学関連諸学会連合:
    意匠学会、国際浮世絵学会、東北藝術文化学会、東洋音楽学会、日本映像学会、日本演劇学会、
    日本音楽学会、日本デザイン学会、日本民俗音楽学会、比較舞踊学会、美学会、美術科教育学会、
    美術史学会、舞踊学会、広島芸術学会、服飾美学会

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仕分け人だが、何だか知りませんが、本当に学問の基礎体力を阻害するようなことばかりをやっていくと、日本という枠組み……ここでいう「日本」とは民族国家としての「日本」というよりも作られた形式としての法治国家・制度としてのステートですが……自体が尻すぼみになってしまうことがわからないのでしょうかねえ。

先史をひもとくまでもなく、先の大戦では、ドイツは日本の10倍の資金を学問に投資し、そのドイツの百倍以上を投資していたのがアメリカですが・・・。

所詮、「次の選挙」までしか計算できない国会議員には、百年の計というものは見えないということでしょうか。

まあ、いずれにしましても、「本を焼く国家はその国民をも焼く」と詩人ハイネ(Christian Johann Heinrich Heine,1797-1856)は喝破しましたが、「学問を軽視する国家はその国民を軽視する」のかもしれません。

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