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「ひょっとしたら、いまなら登れるかも!」

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<日本は敗戦復興し、バブル期を迎え、それがはじけて、いま、社会は沈滞感に包まれている>

 子供がみな、勉強する意味を見失っています。試験でいい点を取るなんて意味はなく、人生で何か問題が起きたときに、なぜそれが起きたのかを理解し、どうしたらいいのかを考えるために本を読んだり勉強したりするのですよね。それが完全に見えなくなっている。
(中略)
 わたくしは、もう一度何かになれるとしたら、学生になりたい。自分の周りの知の山に、どんどんどんどん脳細胞は衰えているかもしれないけれど、「ひょっとしたら、いまなら登れるかも!」って思えてくるんです。
    --「時代を駆ける 高村薫(7) 聞き手・滝野隆浩」、『毎日新聞』2010年3月29日(月)付。

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30日に4月から「倫理学」の科目を担当させていただくT短期大学の講師説明会・懇話会に行ってきました。
前回は中央線で乗り継ぎましたが、中央線はストップすることが多いので、今回は地下鉄経由で向かいましたが、時間的にはあまりかわりませんので・・・、出講時は地下鉄を利用しようかなと思った次第です。

電車で大川を超えると、やはり東京から離れたなア~と思いつつ、都心とは違う潮や野のにおいに春の息吹を感じ取った次第です。ただやはり2時間強の通勤時間はかなり堪えます。

さて……。
午前中が学事に関する説明会で、昼からが懇話会。終わると2時過ぎでしたが、オードブルばかりやっておりますと、やはり何か小腹がすくというヤツですので、東京駅で下車して蕎麦やにていっぺえやった次第です。ビールの味わいの余韻を楽しみつつ、サクッとやってから、お茶の水へ。

丸善で注文していた書籍を受け取り、そのまま、

「帰ろうか……」

……とも思ったのですが、

「何か物足りない……」

……ということで、あいている飲み屋があるわけでもありませんので、駅前の「Cafe PRONTO」にて再度昼ビール!

帰ってから少し仕事をしようかとも思っていたのですが、もう今日はいいや!

……ってことで昼ビールを堪能した一日でした。

お陰で電車を乗り過ごしたことは言うまでもありません。

さて……。

連日の報道を耳にしていると〝脱ゆとり〟ということで、教科書が大きく変わるとのこと。現場は大変だろうと思います。国家に教育が振り回されている……そんなことを実感しつつ、早急にはできませんが、教育(権)の独立ということも想定しながら、「勉強する意味」というのをもういっぺん、最初から考えなおす必要があるもんだ……そんなことをビールを飲みながら思った次第です。

教育系の短大で「倫理学」を講ずるわけですが、決して教育に関する専門知を教授するわけではありません。しかしその土台となる「倫理学」を担当するわけですので……恐ろしいことにシラバスでも1ページが拙論の紹介ページでした……、そのへんも勘案しながら、講座をたちあげていかなければならないと決意した夕べです。

……ということで、

細君と話していて、「何かやりたいことがあるか」と垂下されましたので、小説家・髙村薫女史ばりに(1953-)、

「もう一度何かになれるとしたら、学生になりたい」

……と答えたところ、

「やりすぎなので、もうならなくて宜し」

……とアリガタイお言葉をちょうだいしてしまいました。

たしかに「学生」をヤリ過ぎて、今なおその「気分」が抜けませんが、「周りの知の山」をみてしまうと、そう思ってしまうというのが人情です。

そしていまこの年齢だからこそ「ひょっとしたら、いまなら登れるかも!」って思えてくるもんではないでしょうか???


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