無用なもの、よけいなもの、多すぎるもの、何の役にも立たないもの
-----
幸福だけの幸福はパンばかりのようなものだ。食えはするがごちそうにはならない。むだなもの、無用なもの、よけいなもの、多すぎるもの、何の役にも立たないもの、それがあたしは好きだ。
--ヴィクトル・ユーゴー(豊島与志雄訳)『レ・ミゼラブル(四)』岩波文庫、1987年。
----
先週自宅用のパソコンがぶっこ割れて、出張用のノートPCで仕事をしているのですが、どうにも仕事にならないので、少し型落ちしたワークステーションを購入(予定)したのですが、明日といいますか本日配達されてきます。
ですので……。
すこし部屋の片づけをした宇治家参去です。
片づけと申しましても、たいしたアレではないのですが、せっかくやるならば、きちんと“道具”をつかってやろう!
……ということで、荒物屋!(こんな表現すら死語かもしれませんが)にて、“金太郎箒”なる一品をゲットです。
これにて……掃除はうまく完了!
……という一日でしたっ!
掃除機でやるのが常道なのでしょうが、なんでもかんでもメカニカルに杓子定規やっているようでは、文豪・ユゴー(Victor-Marie Hugo,1802-1885)が指摘するとおり、「幸福だけの幸福はパンばかりのようなもの」なんですヨ。
ですから、こうした余裕といいますか、存在における過剰な部分が必要なのが人間世界というものです。
まさに……。
“無用なもの、よけいなもの、多すぎるもの、何の役にも立たないもの、それがあわしは好きだ”
……を実感する宇治家参去です。
ただ……まさに“無用なもの、よけいなもの、多すぎるもの、何の役にも立たないもの”のようでして、掃除にはあまり役に立たなかった次第です。
ですけど、こうしたものがいいんですよねぇ~。
レ・ミゼラブル 全4冊 (岩波文庫) 著者:ヴィクトル ユーゴー |
レ・ミゼラブル〈4〉 (岩波文庫) 著者:ヴィクトル ユーゴー |
| 固定リンク
「詩・文学・語彙」カテゴリの記事
- 日記:マリオ・バルガス=リョサの『世界終末戦争』(新潮社)を「読む」ということ(2014.12.10)
- 覚え書:「今週の本棚:本村凌二・評 『叢書「アナール 1929-2010」…』=E・ル=ロワ=ラデュリ、A・ビュルギエール監修」、『毎日新聞』2014年03月02日(日)付。(2014.03.05)
- 覚え書:「島田清次郎―誰にも愛されなかった男 [著]風野春樹 [評者]荒俣宏(作家)」、『朝日新聞』2013年10月27日(日)付。(2013.11.03)
- 日記:『風立ちぬ』雑感 --ひとりの人間がその内に孕む矛盾をひとつの作品に(2013.08.16)
- そして生き甲斐などと、ひと口に言えば大変なものも、仔細に眺めれば、こうしたひとつひとつの小さな生活の実感の間に潜んでいる(2012.09.10)
「現代批評」カテゴリの記事
- 日記:現実に定義があるにもかかわらず、「定義されていない」と言葉を弄して、定義自体を変えていく。これが安倍政権のやり方。(2015.03.27)
- 日記:積極的平和主義を「後方支援」するのみならず歴史修正主義に積極的に荷担する公明党(2015.03.23)
- 日記:「紹介したい大切な価値観、八紘一宇」(三原じゅん子代議士)、ええと……「日本の理想を生かすために、一先ず此の国を葬って下さい」(矢内原忠雄)(2015.03.19)
- 日記:曽野綾子化する林真理子(2015.03.17)
- 日記:果たして政権暴走の歯止めの役目を果たしているだろうか(2015.03.13)
「衣食住」カテゴリの記事
- 日記:降雪の東京。(2015.01.31)
- 覚え書:「ルポ 虐待―大阪二児置き去り死事件 [著]杉山春 [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2013年11月03日(日)付。(2013.11.09)
- 覚え書:「書評:設計者 キム・オンス著」、『東京新聞』2013年06月09日(日)付。(2013.06.14)
- 覚え書:「書評:『暮らしのイギリス史』 ルーシー・ワースリー著 評・平松洋子」、『読売新聞』2013年2月24日(日)付。(2013.03.04)
- 「鶏」生姜焼のせ丼の作り方(2011.02.19)
「告白・独白・毒吐の日々」カテゴリの記事
- 日記:信念を曲げないと柔軟さの相関関係へ成長すること(2014.08.27)
- 日記:人間を「無効化」しようとする仮象にすぎないマモンへの永続的な抵抗(2014.02.16)
- 日記:旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり、平生の習慣的な関係から逃れることである(2013.11.23)
- 日記:人間は、一生を通じて「意識が低い」こともなければ、一生を通じて意見が違うとも限りません。(2013.11.07)
- なごやまつり(2013.08.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
金太郎箒って、日本製ですか(笑)
畳を箒で掃く時は、
味わった(使った)後のお茶葉を天日に干し、
乾燥させて畳の上にまき、
箒で掃くと良いとか・・・(確かそんな感じ;)。
パンは、
「偽りによって得たパンは人に快いが、
後に彼の口は砂利で満たされる。」(箴言20:11)
という聖句を、最近友人に教えてもらいました。
パンにまつわる言葉は多いようですね。
投稿: shirokuro_cat_125 | 2012年2月10日 (金) 00時02分
彗は日本製でした。
いまだ現役です。
それから、ご指摘の通り「パン」にまつわる言葉は西洋では多いですね。
ひょっとすると、日本では、「お米」にまつわる言葉が多いかも?……などと思いましたので少しこれは調べて見ようと思います。
投稿: ujikenorio | 2012年2月10日 (金) 14時57分
日本製で良かったです!
日本の文化を象徴する様な、
例えばちりめん細工は、
中国製が多いんです。
中国の人が作るのと、
日本の人が作るのでは、
同じ様な物が出来たとしても、
意味が違うと思うんですよね;
他の国に任せて良いのかな?・・・と。
“生米”だと、宮沢賢治を思い出しますね。
私にとっては、パンを使った言葉より、
お米の方が響きます。
無いならいっそ、
作ってしまえばいい!
投稿: shirokuro_cat_125 | 2012年2月11日 (土) 12時03分
「無いならいっそ、作ってしまえばいい!」
たしかにそうですね!!!
投稿: ujikenorio | 2012年2月12日 (日) 00時18分