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【覚え書】「Viewpoint アリ・ゴマア師 エジプト・大ムフティ(国家イスラム指導者) 相違を認め尊敬の念を」、『毎日新聞』2010年3月13日(土)付。

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 米国や世界の多くの地域は、「イスラム」を名乗る暴力的な過激派の犠牲となってきた。中でも米同時多発テロは言語道断の悲惨な事件だ。多くの人には一部の極端な過激主義だけが目に映り、イスラム世界に平和的な考えを求めるのは無理だと絶望さえしている。
 だが、イスラム世界と(それ以外の)近代世界の和解は必須である。私が議長を務めるエジプト最高の宗教権威「イスラム諮問評議会」はイスラム世界を近代世界にいかに適応させていくかという問題と格闘してきた。
 宗教令を出して、女性の権利や表現の自由などを認め、他宗教と多くの共通点を見いだそうとしてきた。政治は公平さと国民主権に基づく必要があると強調してきた。
 私たちは、何の罪もない人々への暴力を非難してきた。市民の殺りくは人類に対する罪であり、必ず神の罰を受けると訴えたい。
 同時に、ひとびとの価値観や物の見方には相違があるという現実も受け入れねばならない。イスラム教徒と日本人も異なる価値観を持つ。お互いの相違に敬意を払うことは、共存のための根幹部分である。オバマ米大統領もイスラム世界との対話に務めようとしている。ただ、持続的な相互信頼関係を発展させるためにはさらなるステップが必要だ。
 第一にイスラム教徒が穏健になるべきだということは言うまでもない。過激派はイスラム教徒の代表ではない。イスラム聖職者はプロの仕事として声高に「暴力の否定」を訴えるべきである。メディアや学者、非政府組織(NGO)が声をそろえることで、大多数の健全なイスラム教徒は、過激論に執着する少数派を説得することができる。
 第二に、対話は科学や文化、経済、技術といった多面的な分野に拡大させる必要がある。他者への偏見を抱いていない次世代の指導者である若者たちが知識を共有することは、寛容の精神を醸成させていくのに確実な方法だ。
 第三に、バランス感覚のある外交政策が双方の関係を改善させていく基礎となるべきだ。国際法と国連決議の尊重のために協力せねばならない。法の統治に重きを置くことで正義が人々の間に広まり、虚偽の弁解など誰もできなくなる。【訳・隅俊之】
    --「Viewpoint アリ・ゴマア師 エジプト・大ムフティ(国家イスラム指導者) 相違を認め尊敬の念を」、『毎日新聞』2010年3月13日(土)付。

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お互いのことを知らない→知らないから怖い、という短絡的な流れというものが一番怖いんです。そしてその一部を過剰に演出して利益誘導するメディアが問題を加速させるという寸法なのですが、だからこそ“知る”“理解する”ことが大切なんだろうと思います。

お互いのことを知らない→知らないから理解しよう、そしてお互い「相違を認め尊敬の念を」もつようになりたいものです。

この部分の底入れをするのが、義務教育とは異なる、志願して学ぶ大学教育の使命なのではないか……そう思う宇治家参去です。

人間だけでなく、自然や文化、そして社会の動向に至るまで、自分のそとにあるものに対してのチャンネルだけは“意識的”にスイッチ・オンの状態でありたいものです。

えてして、対話のチャンネルというものは、相手が切るよりも先に自分が切るものですからねぇ。

イスラーム世界で交わされる挨拶、「アッ・サラーム アライクム(as-salaamu `alaykum)」という表現なのですが、この言葉は「あなたがたの上に平安がありますように」との元意でありますが、その言葉の意味を深く味わいたいと思う昼下がりです。

ただ、この季節、鼻のチャンネルだけはふさいでおきたいものでございます。

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