« 倫は「なかま」を意味する | トップページ | いったい何が、一つでなくても、なお存在し得るであろうか。 »

「酒が出た。 平蔵の顔に活気がみなぎってきはじめた。」

01_img_0694

-----

 「ま、こういうわけだ」
 事情を粂八に語った平蔵が、
 「どうだ、粂八。おれが殿さま栄五郎に見えぬか、な……?」
 「えっ……」
 「火間虫の虎次郎は、腕ッ節の強い男(の)を、口会人の平十へたのんだそうな」
 「では、殿様が盗め人にお化けなさるのでございますか?」
 「たまさかには、おれも外へ出てはたらき、お前達の苦労を味わっておきたいのだ」
 「そんなことをおっしゃいましては……」
 粂八も利平治も困惑しきっている。
 「ま、よいわさ。ともかく、どうだ。殿さま栄五郎に化けて可笑しくないか?」
 「そ、そりゃあもう、殿様がなさいますことでございますから……」
 「大丈夫だと……?」
 「はい」
 「よし。それで決まった」
 と、平蔵が利平治に、
 「では、明日の朝、このことを鷹田の平十へつたえるがよい」
 「かしこまりましてございます」
 「粂八。佐嶋を、これへ」
 「はい」
 粂八が、与力・佐嶋忠介と共に居間へ引き返して来ると、平蔵は三人を相手に綿密な打ち合わせをおこなった。
 すでに、夜に入っている。
 酒が出た。
 平蔵の顔に活気がみなぎってきはじめた。
    --池波正太郎「殿さま栄五郎」、『鬼平犯科帳 14』文春文庫、2000年。

-----

こんばんわ、宇治家参去です。

仕事は休みでしたが、さきほどまで仕事をがんばりました。
もういいでしょう。

これからゆっくりと飲みながら、池波正太郎先生(1923-1990)の大好きな『鬼平犯科帳』でも読みながら、自分の時間を過ごしていこうと思います。

根を詰めたあとに、

「酒が出た。 平蔵の顔に活気がみなぎってきはじめた。」っていうのは大事です。

今日は気分的に「電氣ブラン」(合同酒精株式会社)です。

〝電氣ブラン〟ときけば〝電氣〟のようびびりびりと痺れるに、がつんとくる酒かっ!ってイメージしがちな人が多いようですが、そうではありません。

「神谷バー」の創業者・神谷伝兵衛(1856-1922)が考案したこの銘酒は、ブランデーベースのリキュールになりますので、とってもフルーティなんです。

宇治家参去的には、スモモのブランデー、そういう感覚です。

チェイサーには、生ビールというのが定番のようですが、生ビールがあいにくございませんので、そのまんまロックでいきましょうか。

もだーんな味わいのする銘酒で、池波先生のピカレスクに酔いしれようかと思います。

以上。

今日は閉店いたします。
02kamiya_denbei 03_img_1315

鬼平犯科帳〈14〉 (文春文庫) Book 鬼平犯科帳〈14〉 (文春文庫)

著者:池波 正太郎
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

送料込み!電気ブランスペシャルセット昭和レトロなデンキブランのロゴ入りミニグラス付(40度・サワー・グラス 各2)【楽ギフ_包装】 送料込み!電気ブランスペシャルセット昭和レトロなデンキブランのロゴ入りミニグラス付(40度・サワー・グラス 各2)【楽ギフ_包装】

販売元:シャトーカミヤ
楽天市場で詳細を確認する

|

« 倫は「なかま」を意味する | トップページ | いったい何が、一つでなくても、なお存在し得るであろうか。 »

」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「酒が出た。 平蔵の顔に活気がみなぎってきはじめた。」:

« 倫は「なかま」を意味する | トップページ | いったい何が、一つでなくても、なお存在し得るであろうか。 »