« 現世の人とこんなに長く話をしたら汚れがうつってしまうんじゃないですか、と別れ際に質問したら、ちょっと困ってから、「理論的にはたしかにそういうことになります」と正直に答えた。 | トップページ | 「あらゆる倫理問題の核心は存する」nervous naive chicken »

われ知らず取る動作が既に言葉なき歌

01_img_0877

-----

 激情の発する叫びも呻きも歌とは言えまい。それは、言葉とも言えぬ身体の動きであろう。だが、私達の身体の生きた組織は、混乱した動きには堪えられぬように出来上っているのだから、無秩序な叫び声が、無秩序なままに、放って置かれる事はない。私達が、思わず知らず「長息」をするのも、内部に感じられる混乱を調整しようとして、極めて自然に取る私達の動作であろう。其処から歌という最初の言葉が「ほころび出」ると宣長は言うのだが、或は私達がわれ知らず取る動作が既に言葉なき歌だとも、彼は言いえたであろう。いずれにせよ、このような問題につき、正確な言葉など誰も持ってはいまい。ただ確かなのは、宣長が、言葉の生まれ出る母体として、私達が、生きて行く必要上、われ知らず取る或る全的な態度なり体制なりを考えていた事である。言葉は、決して頭脳というような局所の考案によって、生まれ出たものではない。この宣長の言語観の基礎にある考えは、銘記して置いた方がよい。
    --小林秀雄『本居宣長 上』新潮文庫、平成四年。

-----

吹けば飛ぶようなデラシネとして知られる宇治家参去ですが、正直、7月まで結構忙しく、なかなか考察するいとまがとれず恐縮です。

とりあえず今は小林秀雄(1902-1983)の本居宣長論を読んでおりますが、小林の文章は霊妙精緻でありながらも、読ませるモノとなっていることにしばし嘆息です。

さて、本日は短大での講義のため比較的早く出講したのですが、あいにくの雨天です。

しかし、雨天の〝おかげ〟でしょうか。
新緑のにおいがとぎすまされ、キャンパスを歩くとかる~い森林浴のようなもので、これは天候に感謝だなと思うひとときです。

かなり肩がこっていたのですが、かるい散策で、すこし重みがほぐれたような状況ですから、新緑に生命力をちょうだいしたというところですね。

ただ慢性寝不足のおかげで、これまたかなり眠いのですが、食事をとると、かえって眠さも散逸してしまいました。

本日は、「豚ロースのピザ風焼き」。
マッシュルームとトマトソース、たっぷりチーズにからめられたお肉の味わいがなかなかです。

さて、散策中に、またしても野良猫さんに遭遇しましたが、何もあげるものがなく恐縮でしたが、宇治家参去の人柄を察知したのでしょうか、、、

近寄ってきてくださいました。

これが、俗に言う「われ知らず取る動作が既に言葉なき歌」としてのあふれ出す所作というやつでしょうか。

何も猫さんには与えることが物質としてはありませんでしたが、そのお返しではありませんが、さあこれからの授業、ひとつがんばってきましょうか!

あ、そうそう、わすれるところでしたが今日が5月はじめての「お米」でした。

02_img_0873

03img_0880

本居宣長〈上〉 (新潮文庫) Book 本居宣長〈上〉 (新潮文庫)

著者:小林 秀雄
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

本居宣長〈下〉 (新潮文庫) Book 本居宣長〈下〉 (新潮文庫)

著者:小林 秀雄
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 現世の人とこんなに長く話をしたら汚れがうつってしまうんじゃないですか、と別れ際に質問したら、ちょっと困ってから、「理論的にはたしかにそういうことになります」と正直に答えた。 | トップページ | 「あらゆる倫理問題の核心は存する」nervous naive chicken »

詩・文学・語彙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: われ知らず取る動作が既に言葉なき歌:

« 現世の人とこんなに長く話をしたら汚れがうつってしまうんじゃないですか、と別れ際に質問したら、ちょっと困ってから、「理論的にはたしかにそういうことになります」と正直に答えた。 | トップページ | 「あらゆる倫理問題の核心は存する」nervous naive chicken »