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「理性的には、世界戦争といった大惨事の危険性を認識しているのに、腹の底では信じていない。外を見よ、太陽が輝き、自然があるではないか--」ってホントか?

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Z ここでジャン=ピエール・デュプュイ〔フランスの哲学者・社会学者。一九四一-〕を引用したいのですが、彼は我々のおかしな反応を指摘しています。理性的には、世界戦争といった大惨事の危険性を認識しているのに、腹の底では信じていない。外を見よ、太陽が輝き、自然があるではないか--。実際に起きるとは思っていないという、構造的な盲点があるのです。次のような理論もあります。「ホロコーストはナチスの仕業だ」「グーグラ〔ロシアの強制労働収容所〕はスターリンのせいだ」と責任を特定するのは容易ですが、資本主義の惨事については「流してしまおう」と言われる。私が重要だと感じるのは、こうした見えない過程についても責任を負うことです。「我々に何ができるというのか」とはねつけるのではなく、人類の集合的責任として正面から捉えなければなりません。これらは、途方もない挑戦です。私が新型のポピュリズムや反グローバリゼーション運動に希望を抱けない理由は、そこにあると思います。共感はしますが、どのような意味合いがあるのでしょうか。反対運動には、実際の、積極的な効果はありません。最大でも、システムを緩和する圧力として機能する程度です。互いに議論を交わした際、ハートとネグリからは、「そこが素晴らしいのだ。マルチチュード、多様なアプローチ」という答えが返ってきました。まあ、抵抗に専念している限りでは、効果的かもしれません。
    --スラヴォイ・ジジェク(岡崎玲子訳・インタビュー)『人権と国家--世界の本質をめぐる考察』集英社信書、2006年。

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スロベニア出身でポスト構造主義系の思想家・スラヴォイ・ジジェク(Slavoj Žižek,1949-)のインタビュー集を深夜に再読しているのですが、まあ、このへんの感覚つうのは大切だよなアと頷くことがしばしばあり、ひとつ残しておこうと思い入力した次第です。

わかりやすい敵とか原因を見いだすことは簡単なことなのですが、その指摘だけではものごとは変わらないのだと思います。

そして、目的をアンチとした運動は絶対に成功しないばかりか、悲喜劇を生んでしまう。

この点は銘記したいものです。

つうことで、さすがにかなーり疲れ果てました。

このところ、ウィスキーばかりでしたので、今日は久しぶりに、日本酒にて撃沈しようかと思います。

京都の銘酒「純米吟醸 玉乃光」(玉乃光酒造(株)、京都府)です。
たまーにしかやりませんが、たまーにやると味わい深い一品です。

ちなみに親爺・自虐ではありません。

以上。

お休みなさい。

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著者:スラヴォイ・ジジェク
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