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「頭のいい人」というのは「人より先にひとのまだ行かない所へ行き着くこともできる」わけですが、こちとら、「頭がいい人」ではありません。

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 いわゆる頭のいい人は、いわば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かない所へ行き着くこともできるかわりに、途中の道ばたあるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。
    --寺田寅彦「科学者のあたま」、『寺田寅彦随筆集 四』岩波文庫、1963年。

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わたしが若い頃は、比較的、寺田寅彦(1878-1935)さんの著作はよく読まれたものですが、最近ではあまりよまれないのでしょうか?

それがひとつ残念だと思う宇治家参去です。

物理学者にして、漱石・夏目金之助(1867-1916)さんのお弟子さんということで、名高いのが寺田さんというわけですが、まさに文理の壁をぶっこわらし、文理と言った枠組みの囚われないその思索の数々を残したわけですが、文学とともに理学にうらうちされた随筆を読み直すたびに、ここにひとつの全体人間が存在する……なあんて思ったものですが、時代は変わってしまったのでしょうか。

「科学者のあたま」で指摘されているとおり「頭のいい人」というのは「人より先にひとのまだ行かない所へ行き着くこともできる」わけですが、こちとら、「頭がいい人」ではありません。

ですから、そこらじゅうにしゃがみこんでは、「わき道」にそれていくことが多いのですが、それはそれで大事ではなかろうかと思う次第です。

さて……。
本日は短大の講義で文豪・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832)のふたつの思考、すなわち、特殊個別性の尊重と、普遍性への参加というものが実はそれぞれ別個の問題ではなく、お互いがお互いを尊重することでかえって色めきたつ……そんな話をした次第です。

かのナポレオン(Napoléon Bonaparte,1769-1821)はヨーロッパ征服戦争の渦中でゲーテと会見しておりますが、彼は『若きウェルテルの悩み』の偏愛者だったとことで知られておりますが、会見した際、「結末がきにくわねえ」ってゲーテに書き直しを依頼したそうですが、まあ、これも「ありえねえ」って思いながら、ゲーテの話をしましたが、やはりゲーテは偉大ですね。

そのゲーテに比べると、所詮、ナポレオンは人殺しの筆頭与力にしかすぎませんから、「格がちがう」だよなア~などと思う次第ですが、英雄崇拝者の細君にそんなことをいってしまうと取り返しの付かないことになりますので、ここはだまって口を閉ざすというのが利口でしょうか。

ま、いずれにしましても、根源的な意味においては「ペンは剣よりも強し」(Calamvs Gladio Fortior)というところでしょうか。
※ちなみにですが、これがKOの校訓ともなっております。

さて……。
細君より厳しいお知らせがひとつ。

今日は昼過ぎから千葉の短大で授業なのですが、そのまえに、すこし東京をまわるぞ!ってことにて……少しというよりもかな~り、はやく起きなくてはなりません。

つうことで、沈没しようかと思う次第ですが、起きてからは、「途中の道ばたあるいはちょっとしたわき道」に入ることができなさそうですね。

それがすこしがっかり。

しかし、今は大事な時期なので、それはそれでラッキーと受け止めるべき……なのでしょうねぇ。

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