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量子世界へ立ち入るには、この悟りが必要

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 波動・粒子の二重性やこの種の同等性は、私たちマクロ世界の住人にとって、どのように不可思議なものであっても、ミクロ世界の現実として受け入れざるを得ないものである。論理も当然違ってこよう。その世界の論理をその世界の実験結果に即して組み立てていくのが物理学者の任務である。人間社会とその歴史に密着した哲学的思弁だけで処理できると思うのは、おそらく人間の驕りだろう。量子世界へ立ち入るには、この悟りが必要である。
 量子世界を語る言語としては、数学がもっとも適している。しかし、今のところ、数学は特殊な訓練を受けた人だけがわかる言語であって、日本語や英語など日常的な言葉に翻訳することは容易でない。この本でも、読者は筆者のまずい翻訳によって「靴を隔てて痒きを掻く」思いを味わうことがあるかもしれない。だが、私は招来に希望をもっている。パソコンなど情報機械の発達と普及があるからだ。将来のある日、数式をいろいろな局面から説明してくれるパソコンとパソコンソフトが発明されるかもしれない。いや、それよりも前に、基礎教育の体質が基本的に変わっていて、数学言語が普及しているという未来社会だって想像可能だろう。哲学、物理学、経済学などのジャンルは残るとしても、基礎教育における「文系」と「理系」の差は減っていくに違いない。将来、私たちは理系教養と文系教養の違いを気にすることなく、哲学、芸術、自然科学、技術、政治、経済などを語れるようになるのではないか。
    --並木美喜雄『量子力学入門 現代科学のミステリー』岩波新書、1992年。

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とりあえず読み始める。

「人間社会とその歴史に密着した哲学的思弁だけで処理できると思うのは、おそらく人間の驕りだろう。量子世界へ立ち入るには、この悟りが必要」に知的好奇心が刺激されてしまう。

「悟り」という表現はしかし、この世界へ飛び込むための、たしかな出発点でしょう。

さてワクワク。

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