東京の夜桜:「一つ一つの対象がそれ固有の色調をもっているという従来の伝統的な考え方の全面的な否定」!
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太陽の光によって、明るさのみならず、対象の色調も変化するというこの認識は、別の言葉でいえば、一つ一つの対象がそれ固有の色調をもっているという従来の伝統的な考え方の全面的な否定であった。(中略)一見白色光のように見える太陽光線が実は七彩の虹の色を含んでいるように、太陽の光に照らし出された自然の姿も、その多様な色の変化をそのまま繁栄している。伝統的な約束事に曇らされていないモネたちの鋭敏な眼は、自然を彩るその微妙な色彩の輝きをはっきりと見てとったのである。
--高階秀爾『近代絵画史(上)』中公新書、1975年。
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4月6日に東京では櫻の満開宣言が出されました。
遅い通勤途上、自転車道で夜桜を撮影してみましたが、やはりなかなか難しいものですね。
櫻は薄いピンクのように見えますが、夜は白い花びらのように見えます。
漆黒の夜空とのコントラストが強いからでしょうかね。
近代絵画史―ゴヤからモンドリアンまで (上) (中公新書 (385))
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