旨いもの・酒巡礼記:東京都・杉並区編「荻窪ワイン食堂 おかげさん2」
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むかし、芝居の仕事をしていたころ、新国劇の島田正吾と名古屋の鮨屋で酒をのんだとき、島田が、
「あんたを一度でいいから、前後不覚に酔わせてみたいな。ほんとにこの人ときたら、ぐでんぐでんに酔っぱらうことがないんだから、つまらない」
と、いったことがある。
たしかに、そのとおりだ。
もっとも、私の酒が強いのではない。
強くはないが、酒がなくては一日もいられぬ男であることはたしかだ。
むろん、酒をのめば酔う。酔えば、ほがらかになる。おしゃべりになる。そこまでなのである。島田は、その先の私が見たかったらしい。
その先まで突きすすむことができないのは、やはり亡父の酒を知っているからだろう。
--池波正太郎「酒」、『日曜日の万年筆』新潮文庫、昭和五十九年、188頁。
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なかなか忙しくて紹介できていなかったのですが、わすれないうちにということで、先月(6月)の中旬、大学の先輩が御馳走してくれた隠れ家のような銘店をひとつ紹介しておきます。
JR中央線荻窪駅南口、まっすぐ南口仲通りを降ること5分ぐらいでしょうか。
そこにあるのが「荻窪ワイン食堂 おかげさん2」でございます。
日本のありとあらゆる「食」を“窮め尽くした”といってよい美食家の先輩のさそいで、小雨の降るその日、2軒目に訪れたのがここ。
とにかくワインをリーズナブルに、新鮮な肴でもてなしてくれる「ワイン食堂」です。
すでに「食べる」系はすませておじゃまさせていただいたので、「がっつりメニュー」は控えたわけですが、それでも冷菜、オードブル系のメニューをつまみながら、闊達な語らいができる「隠れ家」的な、きどらないいいお店ですね。
その日は……
辛口白ワイン「エゴット」ではじめて……、
冷菜盛り合わせ。
パテドカンパーニュ。
いっしょに参加したもうひとりの先輩がワインを飲み慣れていないので、後は、ハイボール。
錫の器で用意してくれるのがいいですね。
ほんとうにちいさな「ワイン食堂」です。15人も入れば一杯でしょうかw
しかしながら、だしてくれる一品一品、選び抜かれたワインを……
「え! この価格でいいの?」
……って誰何しそうなるお店です。
また店長さんも気さくでありながら、心配りも秀逸で、お客様を大切にしようとする心と所作に感動できることも請け合いです。
近くへお立ち寄りの際は、是非www
※デジカメではなく携帯フォトですいません
■ 荻窪ワイン食堂 おかげさん2
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-7-10
twitter @okagesan2
年中無休
平日・祝前日:18-27時
土曜 :17-27時
日曜日 :16-22時
※ラストオーダー1時間前。
日曜日の万年筆 (新潮文庫)
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