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私は人間という言葉を耳にすると、まるで生まれる時から特に自分と親密だった仲間の所へ行くみたいにすぐそちらの方に駆けつけるのですよ

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 私は人間という言葉を耳にすると、まるで生まれる時から特に自分と親密だった仲間の所へ行くみたいにすぐそちらの方に駆けつけるのですよ。あそこに行けば幸いに安らぎの場が得られるものと信じているからです。
    --エラスムス(箕輪三郎訳)『平和の訴え』岩波文庫、1961年、25頁。

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昨夜は、通信教育部の学生さんの皆様と軽く?一献。
遅くまでご参加頂きました皆様方、ありがとうございました。

学生さん同士での闊達なやりとりほど、素晴らしい対話空間というものはありませんネ。社会的地位や身分、年齢、性別の括りに縛られることなく、なんでも自由に話し合いができるのが、「何かを学ぶ人間」の特権であり、そこから新しい発見をし、また今日から頑張ろうと進んでいくことができるのが本当に不思議なものです。

だからこそ「私は人間という言葉を耳にすると、まるで生まれる時から特に自分と親密だった仲間の所へ行くみたいにすぐそちらの方に駆けつけるのですよ」!!!

文豪ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832)は、エッカーマン(Johann Peter Eckermann,1792-1854)との対話のなかで「人間が一人でいるというのは、よくないことだ。ことに一人で仕事をするのはよくない。むしろ何事かをなしとげようと思ったら、他人の協力と刺戟が必要だ(エッカーマン、山下肇訳『ゲーテとの対話』岩波文庫、1969年)」と語っておりますが、勉強という作業は、確かに一人一人がコツコツやらって積み上げていかないと始まりません。

しかし学問……問いを学ぶということ……は一人でコツコツ積み上げるだけでは完成いたしません。集まって何をするというわけでもありませんが、一人で孤立するのではなく、個の世界を大事にしつつも、全体の世界への参与という回路も大事なのではないかとフト感じた次第。

たしかに、複数の人間の世界というものは、居心地のよいものでない場合も多々ありますが、そうでない素晴らしい空間というものもありますから、それを一つのモデルにしながら、「あそこに行けば幸いに安らぎの場が得られる」ってものに転換してゆきたいものですね。

ともあれ、皆様遅くまでありがとうございました。


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