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覚え書:「採用活動:『学生の質』巡り認識に隔たり 企業の4割超『低下』実感、大学側は反論」、『毎日新聞』2011年10月31日(月)付。

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採用活動:「学生の質」巡り認識に隔たり 企業の4割超「低下」実感、大学側は反論

 ◇会話能力の不足認める/トップクラスは「優秀」
 4割を超える企業が「学生の質の低下」を実感--。就職情報会社の調査で、こんなデータが公表された。より優秀な学生がほしい企業と、進学率の上昇で「大衆化」した大学、義務教育も含めた社会状況が混在して生み出された現象ともいえそうだ。【遠藤拓】

 就職情報会社「マイナビ」(10月に毎日コミュニケーションズから社名変更)が、国内企業に実施した調査(1757社回答)によると、12年春に卒業を予定する大学生の採用活動について「前年より厳しかった」「前年並みに厳しかった」と答えた企業は81%に上った。その理由(複数回答)で「学生の質の低下」を掲げたのは52%で、全体の42%に。「母集団の確保」(37%)▽「辞退の増加」(37%)など他の項目を上回り、最も多かった。
 マイナビの栗田卓也・HRリサーチセンター長は「学生への不満はここ数年、よく耳にする。企業がグローバル競争にさらされ、社員に求められる仕事のレベルが上がったことも背景にある」と話す。「マナーやあいさつなど一般常識のなさ」「主体性の欠如」が挙がることも多いという。
 東京都内の中堅メーカーの採用担当者はこの時期、各大学で合同企業説明会を開くと、消極的な学生が目につく。「就職先が決まっていないにもかかわらず、会場の壁際にたむろし、ブースを回ろうともしない。特に男子学生はガッツが感じられず、『草食系』と言われるのもうなずける」
 関東地方を中心に展開する小売会社の採用担当者は「会社説明会で『よろしくお願いします』のあいさつさえしない学生が少なくない。入社後にちゃんと仕事をしてくれるのか不安だ」とぼやく。

 これらの声を、大学側はどう受け止めているか。
 一橋大学キャリア支援室の高橋治夫シニアアドバイザーは「今の学生は、社会全体が貧しかった親世代と違い、がむしゃらに勉強をしなければ未来が開けないわけではない。意欲やモチベーションには欠けているかもしれない」という。だが「社会のリーダーとなり得る学生の能力は決して落ちていない」と、トップクラスの学生の「質低下」論は否定する。
 同大はキャリア教育の一環で、社会で活躍する卒業生が自らの経験を伝える授業がある。18日に教壇に立った投資助言会社「フジマキ・ジャパン」社長で同大非常勤講師の藤巻健史氏も「企業が学生に対して厳しい見方をするのは、もうかっていないからだろう。優秀といわれる大学の学生の質は落ちていない」と学生を擁護する。
 日本大学の宇田川理・就職課長も「一般論として今の学生は、あいさつなども含めたコミュニケーション能力が落ちたとの指摘は理解できる。でも、ITスキルは昔よりも向上している。総じて学生の能力は落ちていない」と述べる。さらに「大学が学生を磨けるのは4年間だが、実質的な就職活動スタートまでは2年余り。企業側がひとくくりにする学生の『質』は、小中高までの学校生活や家庭環境に左右される部分も大きい」と反論、「大学悪玉論」を否定する。
 一方で大学進学率が5割に達したことに原因を求める見方もある。関西の新設大学の教員は「中学生程度の学力で、コミュニケーション能力が決定的に欠けた学生も珍しくない。学生の質は明らかに低下している」と打ち明ける。マイナビの栗田氏も「90年代以降、大学進学率が大きく伸びたことで、大学生の裾野は大きく広がった。一方で企業が社員に求めるハードルは年々上がっており、『質低下』を問題視する動向は続くのではないか」とみる。

 企業と大学のギャップを埋める方策はないのか。
 企業の人事担当と大学の就職支援担当を経験した、コンサルティング会社「採用と育成研究社」の小宮健実社長は「企業が『学生の質が落ちた』と繰り返すのは、大学と企業が、人材育成の観点から連携できていないからだ」という。その上で「企業側は求める人物像を『変革に耐えうるチャレンジ精神』などと曖昧な言い方でなく、具体的に示すべきだし、大学側も育成しようとする人物像を『建学の精神』など抽象的な文言に頼らずに明示する必要がある。そうしない限り、学生が『質低下』を言われ続ける状況は収まらないのではないか」と話している。
    --「採用活動:『学生の質』巡り認識に隔たり 企業の4割超『低下』実感、大学側は反論」、『毎日新聞』2011年10月31日(月)付。

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