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自由の人々のみが相互に最も多く感謝しあう。

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定理七一 自由の人々のみが相互に最も多く感謝しあう。
証明 自由の人々のみが相互に最も有益であり、かつ最も固い友情の絆をもって相互に結合する(この部の定理三五およびその系一により)。そして同様な愛の欲求をもって相互に親切をそなうと努める(この部の定理三七により)。したがって(感情の定義三四により)自由の人々のみが相互に最も多く感謝しあう。Q・E・D・
備考 盲目的な欲望に支配される人々が相互に示すような感情は、多くは感謝というよりもむしろ取引あるいは計略(アウクピウム)である。
 次に忘恩は感情でない。しかし忘恩は非礼なことである。なぜなら、それは多くは人間が過度の憎しみ、怒り、高慢、貪欲などに捉われていることを示すものだからである。というのは愚かであるために贈与に報いることを知らない者は忘恩的と言われない。ましてや情婦の贈物によって彼女の情欲〈または色情〉に奉仕するように働かさない人、あるいは盗賊の贈物によって盗賊の盗品を隠匿するように動かされない人、その他この種の人間の贈物によって動かされない人はなおさら忘恩的とは言われない。いかなる贈物によっても自己あるいは社会の破滅になるような行いへ誘惑されない人は、確固たる精神の所有者であることを示しているからである。
    --スピノザ(畠中尚志訳)『エチカ 倫理学 下』岩波文庫、1975年、82-83頁。

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去年の今頃に「近いうちに呑みに行こうね」って話をしていたICUの院生さんがいらっしゃるのですが、私自身も情けない話しですが、割合と忙しく、お互いの距離はそんなに遠くないのですが、「機を逸してしまった」感が続いてしまい、1年経ってようやく月曜日に「近いうちに呑みに行こうね」がようやく実現しました\(^o^)/


例の如く最近行きつけの国分寺「芳一」にて軽く……のつもりががっつりorz

個人的な話題から、宗教の在り方まで?ひさしぶりにディープな話し合いをじっくりさせていただき、大感謝。

人間は真面目だけでも成立しないし、不真面目だけでも成立しないし、いろいろな側面を合わせもって人間として成立するわけなのですが、「取引あるいは計略」でもない自由闊達な対話空間の時間を作っていただいたワカヤマくんに大感謝。

こちらもエンジンをがんがん吹かせてしまった所為で、最後は記憶をお店に置いて帰って……っていう「いつものパターン」ですが、またこりずにどうぞ宜しくお願いします。

それぞれの大学のもつエートス。
将来の夢や希望。
日本社会の問題。
ティリッヒとバルトについて。
差別の問題。
そしてそれに対するアクションの問題について……等々。

覚えているだけでもかなり剣豪の如き真剣な言葉を交わすことができたのではないかと思います。

いやはや、いろんな問題はこの人間世界にあるんだけれども、僕はやっぱりそれでも「人間」が好きだし、「人間」をできるだけ「丁寧」に接していきたいと思う。

そこには思想・信条・イデオロギーは口を挟む余裕がない。

なぜなら、自由な人間とは、相手が誰であろうとも、「人間」を「人間」として接していくことができるからだ!!!

そのうちまた、ご一献やりましょうwww


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