旨いもの・酒巡礼記:東京都・国分寺市編「かまどか 国分寺店 釜飯・串焼」
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食べ物は会話の話題としては天候よりも新鮮で面白い。天候についての話題はどうしても限度があるけれど、食べ物なら、いくらでも延々と喋ることができる。それに、気候状態の話では(どういう天気が好きで、どういう天気が嫌いかについては同意見の人が多いから)熱っぽく議論を戦わせることは殆どない。議論しないのであれば、意見が同じ者同士が親しみを覚えることもない。しかし、食べ物の好みははっきり差があるので(確か、ラテン語でもフランス語でもそういう趣旨の諺があった)、明確に意見の一致があれば、それはあらゆる結びつきの中でももっとも親密なものになる。例えば、誰かタピオカのプディングが大嫌いな人がいれば、その人は私の親友になるのだ。
--ミルン(行方昭夫訳)「昼食」、行方昭夫編訳『たいした問題じゃないが イギリス・コラム傑作選』岩波文庫、2009年、199頁。
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先月お世話になったのが「かまどか 国分寺店」なのですが、はやく書いておかないとと思いつつ、季節は秋から冬へと変わってしまい忸怩たるものがありますが、気にしてもいたしかたありませんので、紹介しておきます。
ちょうどその日、勤務校の公募推薦入試があったのですが、終わってから最寄り駅で下車すると16時。
国分寺は、割合と「居酒屋激戦区」ですので、いつもの店に寄らず、
「ちょいと面白いところ開拓するかっ!」
……ってことで、時間も時間ですので、「国分寺 居酒屋 16時」なんて単語で検索してから訪問したのがこちら。
串焼きと釜飯が名物とのことですが、帰宅してから食事の用意があると聞いていたので、串焼中心のオーダー。
まずプレミアムモルツをお願いしてからという訳ですが、お通しの「トロトロ豆腐(`_´)ゞ」もなかなかこっているではありませんかw
黒蜜を垂らせば、和風プリンにでもなるのではないかと思えるほど濃厚な自家製豆腐です。
お通し、お通しと一言で片づける人は多いし、ここで手抜きをするお店が多いのも事実ですが、こういう「当然」のことにきちんと「力」を入れることは大事なことですよね。
さて「ねぎどか三本盛り逢わせ」をお願いしてからまつことしばしば。
ねぎどかとは、要するに、たっぷりの葱と隠し味程度の大蒜をみじん切りにしたのを軽く浅漬けにしたような薬味を「どか」ってどっさり、串焼きに乗せるってことですが、まあ、これがサッパリしてやヴァイw
単純ですが奥行きのある味わい。
ご飯にかければそれだけでいただけると思えるほどの完成度!
鶏もほどよく堪能しつつ、つぎは「かまどか発祥!幻の牛串(岩塩)」。
こちらのお店の「ウリ」がこれということでしたが、
「はぁ、間違いないッスね」
鶏、豚串はわりとポピュラーですが、牛串をだすところはなかなかありません。
申し訳程度でメニューにあるところのはテキトーな仕上りで失敗することが多いのですが、さすが「看板」に掲げるだけのことはあります。
いわば上品な和風ステーキですね。
岩塩が肉自体のもつうま味を絞り出してくれますし、それをわさびがアクセントとなって加速されるという始末ですよ、完敗です。
最後は、「鶏皮」。
串焼きにいくとだいたい頼むのですが、こちらもクリティカルヒット。「鶏皮は熱いうちにやれ」というのがセオリーですが、ばくばくやってしまうのがもったいないほどで、アツアツでカリカリに仕上げられているのに、閉じ込められた脂が口蓋でうれしく爆発するという寸法w
たった30分ほどの滞在でしたが、いい時間を過ごさせていただきました。
もう冬ですが、先に言及したとおり、訪問したのはミッドオータム。 盛り付けに「紅葉」を添えるのもなかなか「粹」な振る舞いじゃア、ありませんかwww
また、近いうちによせてもらおうかと思います。
■ 居酒屋 かまどか 国分寺店 釜飯・串焼
〒185-0012 東京都国分寺市本町2-9-10 丸八ビル3F
http://r.gnavi.co.jp/b439550/
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