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覚え書:「社説:成人の日に――尾崎豊を知っているか」、『朝日新聞』2012年1月9日(月)付。

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社説:成人の日に―尾崎豊を知っているか
 ああ、またオヤジの「居酒屋若者論」か、などと言わずに、聞いてほしい。  
キミが生まれた20年前、ロック歌手・尾崎豊が死んだ。その時のオヤジより少し下の26歳。雨中の追悼式に、4万人が長い長い列を作ったものだ。
 新聞には「高校を中退し、自由を求めて外に飛び出した彼の反骨精神が、僕を常に奮い立たせていた」と投書が載った。
 彼が「卒業」「15の夜」といった曲で歌ったのは、大人や社会への反発、不信、抵抗。恵まれていないわけじゃないのに、「ここではない、どこか」を探し、ぶつかり、傷つく。
 その心象が、若者の共感を呼んだ。尾崎の歌は高校の教科書にも採用されたほどだ。
 ところが最近は、うんざり顔をされることが多いらしい。
 オヤジと同世代、精神科医の香山リカさんは毎年、大学の授業で尾崎豊を聴かせ、感想を問うてきた。ここ数年「自己中心的なだけじゃないか」「何が不満かわからない」と、批判的な意見が増えているという。
 教室に居並ぶのは、親や世の中に従順な若者たち。キミと同い年なら、石川遼くん?  でも、就活の道は険しいし、滑り落ちたら、はい上がるのは難しい。時代は、尾崎のころよりずっとずっと生きづらい。
 だけどキミたちは「自分にスキルが欠けるから」と、どこまでも謙虚だ。格差も貧困も「自己責任さ」と、受け入れてしまっているようにみえる。
 尾崎豊はどこへ行ったのか。
 あの時の尾崎と同じ26歳、気鋭の社会学者、古市憲寿さんには「オヤジよ、放っておいて」と言われそうだ。
 近著「絶望の国の幸福な若者たち」では、20代の7割が現在の生活に満足している、との調査結果を紹介している。過去40年で最高だ。
 将来の希望が見えないなか、未来を探すより、親しい仲間と「いま、ここ」の身近な幸せをかみしめる。そんな価値観が広まっているという。
 なるほどね。いくら「若者よもっと怒れ」と言っても、こんな社会にした大人の責任はどうよ、と問い返されると、オヤジとしても、なあ……。
 でも、言わせてもらう。
 私たちは最近の社説でも、世界の政治は若者が動かし始めたと説き、若者よ当事者意識を持てと促した。それだけ社会が危うくなっていると思うからだ。
 だから、くどいけれど、きょうも言う。成人の日ってのは、そんなもんだ。  ともあれ、おめでとう。
    --「社説:成人の日に――尾崎豊を知っているか」、『朝日新聞』2012年1月9日(月)付。

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様々なところで波紋をよんだ記事だから記録として残しておきます。
論理的整合性の崩壊と、「居酒屋若者論」以下のていたらくな内容。
天下の『朝日新聞』なんだが……。


http://www.asahi.com/paper/editorial20120109.html


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