覚え書:「リアル30’s:働いてる? 反響特集 同世代から共感の声 厳しい批判、連帯探る動きも」、『毎日新聞』2012年2月2日(木)付。
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リアル30’s:働いてる? 反響特集 同世代から共感の声 厳しい批判、連帯探る動きも
生きづらい時代を懸命に生きる30代を追った連載「リアル30’s 働いてる?」(1月1~18日、計12回)に多くの反響が寄せられた。手紙やメールは200通近くにのぼり、ツイッター上でも途切れることなくつぶやきがあった。叱咤(しった)激励や、日本の将来を心配する声などさまざま。一部を紹介する。【鈴木敦子】
「いったん辞めれば次の仕事がなかなか見つからない。無理してがんばれば心身を病む。それでも働かなければいけないのか。心地よさを求めることは悪いことなのか」
にいがた青年ユニオンの副執行委員長、桜井秀之さん(36)は手紙でこう訴えた。高校在学中にバブルがはじけ、求人はほぼ皆無。やむなくフリーターや派遣労働に就いたが、リーマン・ショック後は真っ先に仕事を切られた。「私たちは、学校を出て就職するという最初の人生設計が18歳にして崩れた世代。将来を描けないほど過酷な社会を生きています」
東京都内の女性(32)は、新卒で入った会社の勤務が不規則で体調を崩し、1年半で辞めた。生活のために急いで決めた仕事は、大学事務の契約職員。人間関係に恵まれ、やりがいがあったが、5年で契約満了。「悔しさ、むなしさ、寂しさで言葉にならなかった。結局は使い捨てなのか」
今は別の大学に勤めるが、仕事量は増え、人間関係もギスギスしているという。「私はただ心身の健康を維持しながら、安定した生活を送りたいだけ」
◇ ◇
連載の第1、2回は、会社の「歯車」であることに背を向け、自分なりの価値観で働く銀行員や経営者を紹介した。3、4回は非正規雇用から抜け出せない労働者や、解雇におびえる正社員を取り上げた。
5回は仕事以外のつながりを大切にする人たち。6、7回は業界の常識から外れた働き方を模索する僧侶らを、8、9回は心地よさを求め転職を繰り返す若者らを紹介した。「軽い」と見られがちな若者だが、みな真面目すぎるほど現実に向き合い、格闘していた。
「記事にすごく共感した」という20代後半の男性からは「『ニートやフリーターは自己責任』という人もいるが、大半は好きでしているわけではない。一度落ちたらはい上がれない、この社会に恐怖を感じるから」という声が届いた。
正社員になれる日を待ちわびてパートで働く書店員の女性(28)は「まだ30歳ではないが、人ごととは思えない」と感想を寄せた。自身は困窮に直面し、「子どもを持ちたいと願うことすら間違いなのか」と嘆く。京都府の女性(40)も「過労死寸前まで働いたり、正社員になれなかったり、なってもすぐに解雇されたり……もう自己責任の範疇(はんちゅう)を超えている」と憤った。
非正規の職を転々としてきた茨城県の男性(38)は、A4判4枚にわたり「生きにくい」現状をつづった。「アルバイトをいくら続けてもキャリアにならない。氷河期で正社員になれなかった僕らは、年収200万円やそこらで人生あと40年生きなければならない」
◇ ◇
夢を追い「自分探し」を続けた結果、定職に就かない30代に対し、厳しい意見もあった。大阪府の男性(62)は「あくせく働かず好きなことをできるのなら心地よいだろう。だが彼らを養っているのは一生懸命働き、税金を納め、保険料を支払い、子どもを育てている現役世代。彼らは現実逃避しているだけ」と批判した。男性には、仕事に育児にがんばる30代の子どもが2人いるため、許せなかったという。
同世代からの批判もあった。松山市の会社員男性(36)は「自分も仕事から逃げたいと思ったことは何回もあるが、逃げなかった。(記事は)がんばっていない人に『自分は悪くない。社会のせいだ』と勘違いさせないか」と案じた。
働き方の問題を安易に「世代間ギャップ」に終わらせてはいけないという意見もあった。川崎市の団体職員、矢野朗さん(57)は「企業が生き残っても、働く人の暮らしが壊れてしまってよいのか。私も含め50代以上の世代は、働くことや人生にとって大切なことを次世代に伝えてこなかったのではないかと痛感する」と書いた。
世代の垣根を越え、互いの生きる時代を思いやることも必要だ。沖縄県に住む女性(36)は30代を覆う閉塞(へいそく)感が気になり、昨秋、同世代が集まっておしゃべりする場を設けたという。
「『俺たちの時代はもっと大変だったんだ』という人に、30代が安心して語れる場が少ない。でも、分かってもらえないことを嘆いて周囲に理解を求めるだけでなく、自らも理解してもらえる努力や工夫をしていかなくちゃ、と思う」
◇ツイッターにも数百件
簡易投稿サイト「ツイッター」に連載の公式アカウント(@real30s)を設けたところ、フォロワー(読者)は約4200人、つぶやきも数百件に上った。
「毎回、自分はどうだろうと思いながら読んでいる。同世代として思い悩みながら。考えに賛否両論あるにせよ、どの職業についても生きづらさは感じている気がするから」(shineさん)
「持てる立場の人の頑張りや能力は認めるが、持たざる立場の人のことを理解しようとしない感覚にがっかりさせられる。人間はそれぞれ立場も違えば、元々の能力や頑張れる力にも差がある」(30代後半女性・みーごんさん)
引き続き30’sを追います。アカウントもこのまま残します。
--「リアル30’s:働いてる? 反響特集 同世代から共感の声 厳しい批判、連帯探る動きも」、『毎日新聞』2012年2月2日(木)付。
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http://mainichi.jp/life/job/news/20120202ddm013100012000c.html
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