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覚え書:「今週の本棚・新刊:『鎮魂と再生 東日本大震災・東北からの声100』=赤坂憲雄・編」、『毎日新聞』2012年04月15日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『鎮魂と再生 東日本大震災・東北からの声100』=赤坂憲雄・編
 (藤原書店・3360円)

 東北に生まれ育ち、あるいは縁あって東北にくらす聞き手たちが、「それぞれに被災地を訪ね、被災された方たちに会い、その語りに耳を傾け」(赤坂憲雄のはしがきによる)て成ったのが、この聞き書き集。
 外部に<復興>や<絆><頑張ろう>等のわかりやすい語が飛びかう中、まず東北自身の内なる多声をひらくことをめざす。宮城・岩手・福島・青森の四県にわたる、百名の体験談が誠実に記録される。
 ページをひらけば、実にさまざまの声が聞こえる。いつか津波にあうと直感しながら生活のため、海辺でおびえつつ子育てしていた女性がいる。利他的な東北人と賞揚されるけれど、そうせざるをえない古い風土を省みる人もいる。被災には格差があり、一律に「頑張ろう」なんてとても言えないという、工場長がいる。有難かったのは、一番に炊き出しに来てくれたパキスタン人、と言う人。この大震災も、二百年すれば忘れられるのだろうなと諦観する郷土史家。父を失い、これからの人生の目標は赤ちゃん増殖計画、と突きぬけて笑う若い女性。−−この多声に耳を傾け、一時でなく、東北を想像し続けることの重要を痛感する。(叙)
    --「今週の本棚・新刊:『鎮魂と再生 東日本大震災・東北からの声100』=赤坂憲雄・編」、『毎日新聞』2012年04月15日(日)付。

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http://mainichi.jp/feature/news/20120415ddm015070023000c.html


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