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覚え書:「時流底流:警察の番号利用に懸念 清水雅彦日本体育大準教授(憲法)」、『毎日新聞』2012年3月31日(土)付。

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時流底流:警察の番号利用に懸念
清水雅彦日本体育大準教授(憲法)

 個人識別番号利用法案(マイナンバー法案)17条には個人番号など個人情報を第三者に提供することを制限する例外として「刑事事件の捜査」(11号)が明記された。住民票を持つすべての人を対象にした個人番号の導入は、精確な所得の把握と、増大する社会保障費の抑制が名目だった。操作の例外扱いは、個人情報の収集に力を入れる警察が便乗利用しようとしていると考えるべきだ。
 1982年に誕生した中曽根政権にまでさかのぼる新自由主義改革は、一部の勝ち組と多くの負け組からなる格差社会を生み出した。従来型の犯罪者だけでなく、高齢者のおにぎりの万引きに象徴されるような食べていくための犯罪増加の恐れを想定し、警察はだれもが犯罪者になり得る社会に備えた新たな治安対策に踏み出した。94年、警察嬢に生活安全局を設置し、ソフト面では警察が住民と連携して行う防犯パトロール、ハード面ではマンションや駐車場などあらゆる場所での監視カメラの設置などだ。
 これに加えて、力をいれているのが個人情報の収集だ。微罪でも注意にとどめず刑事事件として取り締まれば顔写真、指紋などを集められる。番号制は、警察にとっても使い勝手のいいシステムになる。個人番号情報保護委員会のチェックも受けない。ICカードの個人番号カードは本人確認のための身分証として提示を求められるだろう。
 憲法はそもそも国家権力を縛るために作られた。ところが今日の社会では、縛られる側の国家が国民を縛ろうとする逆転状況が生まれている。秘密保全法案は、国家秘密法(廃案)になかった「公共の安全・秩序の維持」を含める。同法案は、国家の側のプライバシーを認めると同時に国民の知る権利を侵害するし、マイナンバー法案は、国家に国民の個人情報を知る権限を認めて国民のプライバシーを侵害する内容で、国家と国民の関係を180度転換させてしまう危険性がある。
    --「時流底流:警察の番号利用に懸念 清水雅彦日本体育大準教授(憲法)」、『毎日新聞』2012年3月31日(土)付。

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