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覚え書:「今週の本棚:日本をめざしたベトナムの英雄と皇子=著・白石昌也」、『毎日新聞』2012年6月17日(日)付。

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今週の本棚:日本をめざしたベトナムの英雄と皇子=著・白石昌也
(彩流社・1890円)

ファン・ボイ・チャウやクオン・デと言われても、日本ではあまり馴染みがないだろう。100年ほど前、宗主国フランスからの独立を期したベトナムの2人の闘士の名だ。「坂の上の雲」を目指した日本に学び、辛亥革命に沸く隣国・中国に高揚して決起するが、帝国主義の壁は行く手に厚く立ちはだかった。
 道半ばで倒れた独立運動の英雄の渉外を15歳の少年少女にも理解できるよう、かみくだいて読み物に仕上げたのは、わが国のチャウ研究の第一人者。「一人でも多くの人に知ってほしい」という思い入れが伝わる。
 著者はこれまで、チャウの残した自伝をひもとくだけでなく、日本やベトナム、フランスの外交文書などの史料を丹念に調べ上げ、客観的な実証に基づく論文を多数発表してきた。本書では時に激しく批評を加えながらも、チャウたちの戦いがあればこそ今日のベトナムがあるという信念をにじませる。学術書の枠を越え、その集大成とも言えるだろう。
 アジア近現代史に欠くことのできない人物を描くシリーズの第1弾。アウンサンスーチー氏の実父、アウンサン将軍の『ビルマ独立への道』も同時刊行されている。(智)
    --「今週の本棚:日本をめざしたベトナムの英雄と皇子=著・白石昌也」、『毎日新聞』2012年6月17日(日)付。

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