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書評:計見一雄『戦争する脳 破局への病理』平凡社新書、2007年。

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計見一雄『戦争する脳 破局への病理』平凡社新書、読了。精神科医の目から見た精神医学的戦争論。精神を病む兵士から戦争遂行の閣僚の心理行動に至るまで、脳の仕組みからそのメカニズムを分析する。戦場の兵士だけでなく、大本営の指導者からブッシュ政権の閣僚に至るまで事例が豊富である。

著者は1939年生まれの救急精神医療の第一人者。「戦争遂行脳」は欲望と密接にリンクして発動する。そして日常と戦争の継ぎ目がない(シームレス)とき「知らないうちに戦場真っ只中」。驚くほど説得力があると同時に、戦慄する一冊。

兵士の苛酷な負担は肉体という現実を無視した病理現象…先を読んで体に命令を出す脳。兵士だけでなく指導者たちの「狂気」の遂行も「戦争脳」に由来する。

「戦争は人類最大の狂気」というが、本当にそうなのだろうか? むしろ、精神的な病が日常とつながっているように、戦場と日常も地続きである狂気は特異でない。

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