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覚え書:「今週の本棚:『寅さんとイエス』=米田彰男著」、『毎日新聞』2012年08月19日(日)付。

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寅さんとイエス
米田彰男著(筑摩選書・1785円)

神父である著者が最も気にかかるイエスと寅さん。その共通点はユーモアの塊であることだと言う。寅さんについてはよくわかるが、イエスをユーモアたっぷりのフーテンだと言われると戸惑う。しかし、「男はつらいよ」四十八作と聖書との詳細な比較が、常識をはみ出し、故郷を捨てたイエスを立派なフーテンに見せてくれる。罪人や遊女と会食するなど当時の常識をはずれていたイエスだが、食事を共にした人は明るく楽しい気分になっただろうという。寅さんもイエスも他者への温かい思いやりから常識を逸脱するのだ。イエスはまた、神とナザレという故郷を離れているが、寅さんにとっての柴又の団子屋にあたる場所としての神にアッバ(父さん)と呼びかけ甘える。
ユーモアとは人間関係における不要な緊迫を和らげ、社会の矛盾を指摘するやんわりした表現であり、寅さんもイエスも比喩と喩えがうまい。共にユーモアがあったからこそ絶望した人が寄ってきたのである。現実を冷徹に見据え、時代が盲目的にのめりこんでいる誤った価値観をユーモアに包んで、人間性のか回復に生涯をかけた寅さんとイエス。改めて聖書を読んでみようと思う。(桂)
    --「今週の本棚:『寅さんとイエス』=米田彰男著」、『毎日新聞』2012年08月19日(日)付。

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