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覚え書:「今週の本棚:コロニアリズムと文化財=荒井信一著」、『毎日新聞』2012年8月12日(日)付。

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今週の本棚:コロニアリズムと文化財=荒井信一著
(岩波新書・756円)

帝国主義の時代、欧米列強や日本は他民族の土地を植民地として支配した。その影響は今日にも残っている。本書はそのことを文化財を通じてつまびらかにしている。
柱になるのは、日本と朝鮮の関係だ。日本人による略奪は1875年の江華島事件が最初という。またその後も植民地朝鮮から宗主国日本へ、さまざまな形で文化財が移されたことを明らかにする。日本では高名な複数の学者が、こうした移転に積極的だったことを指摘している。
文化財の返還を巡っては、たとえば盗品が市場に出て、そこを経由し博物館や個人の所蔵になった場合、もしくは植民地と宗主国の間の「合法的」な手続きで移転された場合は難しい。こうしたやっかいなケースの方が多く、戦後の日韓もそうだった。移転は「不正」か「不正ではない」で認識が対立してきた。
しかし著者は、先般、朝鮮王朝の文書『朝鮮王室儀軌』が日本政府から韓国に戻されたことなどを挙げ、文化財植民地主義の「清算」の道を探る。国家間で見れば希望の光もあるようだが、個人の所有物になったものをどうするのか。課題も浮き彫りになった。(栗)
    --「今週の本棚:コロニアリズムと文化財=荒井信一著」、『毎日新聞』2012年8月12日(日)付。

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