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服従が服従していることを意識しなくなるとき、服従が性向となってしまうとき、真の他律性が始まる。

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 服従が服従していることを意識しなくなるとき、服従が性向となってしまうとき、真の他律性が始まる。究極の暴力はこのような究極の甘美さのうちにある。奴隷の魂をもつこと。それは衝撃を被ることもできず、命令されることもできないということなのである。主人の愛情が、もはやそれに対して距離をとることができぬほどに、奴隷の魂を満たしてしまっている。もはや恐怖が見えなくなり、さらにその見えない恐怖を起点としてものごとを見てしまうほどに、恐怖が奴隷の魂を満たしてしまっているのである。
 奴隷の魂を創造することができるということ、これは単に近代的人間のもっとも悲痛な経験であるだけでなく、おそらく人間の自由に対する反駁そのものでもあるのだ。
    ーーエマニュエル・レヴィナス(谷口博史訳)「自由と命令」、合田正人・谷口博史訳『歴史の不測 付論:自由と命令/超越と高さ』法政大学出版局、年、220-221頁。

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だいぶまえに一度書いた話で恐縮ですが、結局のところ、服従というのは、おそらく馴化されるなかで、服従される側が望んで、そう、「望んで」という以上に、それを利用しながら、その構造が加速されていくというのは、事実なんだと思う。

自分自身、学問で食べていくことができないの一般企業……GMSって奴ですが(涙……で仕事をしております。職責上自分の勤務時間の最後の2/3は自分自身が最上級上席者になってしまう。

で……。
掃いて捨てるほどよくある話なのですが、やっぱり、「バイトはバイトだから、これ以上、自分で考えて組み立てる必要はないーー!って、だから指事待ちよねん」っていう状況にはよく直面します。

もっとも、たとえば、時給900円のバイト君に、ミシュランガイドに掲載されるレベルの接客態度を要求する過剰クレーマーと同義で捉えられると困るのですが、要するに、「訓練をうけた分だけやればいい。あとは考えなくていい。上席者に指事を待てばいい」という態度には、サービスの提供者・受給者の違いはありますが、時々困惑することがあります。

半年も同じタスクをやっていけば、次にどういう手をうてばよいのか、筋道って見えてきますよね。

ですけど、「次なにやればいいんでしょうか??」

ってやられると、

「おいおい、それ、昨日もいったやないけ?」

……って言いたくなるときが多くなるので我慢して、指事という毎日。

正味なところ、上手くやった方が、いい意味で力も抜けるし、その方がお得だと思うのだけれども、時代が違うのかな~。

……ってウエメセっていわれそうですいません。


しかしなー。

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