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覚え書:「ひと 『戦争柄の着物』を収集し、研究する=乾淑子さん」、『毎日新聞』2012年11月03日(土)付。

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ひと
「戦争柄の着物」を収集し、研究する
乾淑子さん(60)
 軍艦旗や大砲の間を縫って「占領」の文字が躍る絣(かすり)、満州建国を伝える新聞記事を染めた羽織の裏地--。戦争をモチーフにした柄の着物を収集・研究して12年。コレクションは500枚を数えた。「これだけの枚数を集めた人も、研究しているのも相当珍しいでしょう」と苦笑いする。
 民族芸術研究のため古い布を探していて、ネットオークションで一枚の着物が目に留まった。日の丸を振る唐子人形を御所人形が見下ろす図柄。
 「母親の愛情を感じさせる可愛らしい着物」と説明されていたが、明らかに題材は日中戦争。平和な場面と解釈され、それが子どもの着物であることに衝撃を受け、探し続けた。日清、日露、東郷元帥……次々見つかった。
 「これだけの史料を放ってはおけない」。私財をつぎ込み、落札した。
 軍事史研究家の助言を受け一枚一枚読み解いた。集めた戦争柄の着物は1895~1942年に造られ、国策や戦争宣伝と直接には無縁に流布していったと分かった。「百貨店などの業者が売れそうなデザインとして時流の戦争を選び、消費者が最新トレンドとして受け入れたのです」。戦時体制が再生産される原理を見いだした。
 米ボストン美術館が戦争柄の着物を集め始めたと聞き、海外流出への危機感を抱いている。
 「戦争美術の研究は進んでいますが、日用品に描かれた戦争は埋もれたまま。しかし、そこにこそ『市民が見た戦争』が残されているのです」
文・上杉恵子 写真・梅田麻衣子
    --「ひと 『戦争柄の着物』を収集し、研究する=乾淑子さん」、『毎日新聞』2012年11月03日(土)付。
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http://www.htokai.com/kimono/
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