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覚え書:「異論反論 男女格差の大きさが指摘されました=雨宮処凛」、『毎日新聞』2012年11月08日(水)付。

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異論反論
男女格差の大きさが指摘されました
寄稿 雨宮処凛
国のためにも女性活用を
 日本は先進国・主要国の中で、もっとも男女格差が開いている国。
 10月24日、スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が発表した「男女格差報告」の評価だ。調査対象135カ国中、日本は101位。先進諸国の中では最低の評価である。
 理由は、議員や企業幹部に女性が少なく、教育レベルの高さにもかかわらず労働市場でうまく活用されていないことなど。
 「働く」ことにまつわる数字をざっと出すだけでも、残念感は満載だ。例えば労働者に占める女性の割合は42%なのに、その半分以上が非正規雇用。賃金格差も大きく、非正規まで含めると、女性には男性の約半分の賃金しか支払われていない。従業員100人以上の企業でも、女性の課長職は7・2%。
 そんな「男女格差」が指摘された数日後、仙台で開催された「日本女性会議」に参加した。私は「女子の生きづらさ」と名付けられたシンポジウムに登壇したのだが、ここで「困難すごろく」というものが参加者に配布された。1人の女性がこの世に生まれてから老年に至るまでを、すごろく形式にしたものだ。コマを進めるたびに、進学したり就職したり、結婚したりしなかったり、働き方が正規と非正規に分かれたりという形で進んでいく。「上がり」というものはない。
 そんなすごろくのコマの周りには「求人格差」「セクハラ」「家庭内役割分担」「DV(配偶者暴力)」「母子家庭」「孤独死?」といったキーワードが並ぶ。そして人生のあらゆる場面に登場するのが「貧困」という言葉だ。正社員になれなかった時、失業した時、離婚した時、親の介護が始まった時。眺めているだけでも「女性」がこの国でいきることの困難さに、頭を抱えたくなってくる。
 どうしてこんなことになっているのか。「現代思想」11月号の特集は「女性と貧困」だ。ここで多くの著者が指摘しているのが、この国に蔓延する「女は男に養ってもらうもの」という意識だ。女は子どもの頃は父親に、結婚すれば夫に、そして老後は子どもに扶養してもらうもの、という根拠のない「常識」。確かに、ある時代まではそれでなんとかなったのかもしれない(それでも結婚しない女性や母子家庭の困難はずっとあったわけだが)。
「男に養ってもらう」意識
解消が「貧困」脱出のカギ
 しかし、未婚率が上がり続ける現在、単身女性の3人に1人が「貧困」という現実がある。いいかげん、「女は結婚して男に養ってもらうもの」という意識から脱却しない限り、女性の貧困はますます深刻化するだろう。
 「世界経済フォーラム」は、男女格差をなくすことで日本の国内総生産(GDP)は16%増えるという研究結果を紹介している。少子高齢化社会で労働人工が減り続ける中、「女性の活用」は以前から叫ばれているものの、進んでいるとは言い難い。先進国で最も女性が「差別」されている国、なんてカッコ悪い。
    --「異論反論 男女格差の大きさが指摘されました=雨宮処凛」、『毎日新聞』2012年11月08日(水)付。
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