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覚え書:「今週の本棚:『韓国における日本文学翻訳の64年』=尹相仁ほか著」、『毎日新聞』2012年11月25日(日)付。

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今週の本棚:『韓国における日本文学翻訳の64年』
尹相仁ほか著
(出版ニュース社・4200円)

 隣国では日本文学はどう受け入れられてきたのか。韓国で出版された日本文学の翻訳の実態を論文と詳細な書誌目録で明らかにする一冊だ。
 日本文学が戦後、韓国に再登場するのは1960年の4月革命以後だった。強力な排日政策を進めていた李承晩が失脚し、対日文化政策が変化したためだ。かつて日本が自分たちを植民地支配していたことから文学者や知識人には警戒する声もあったが、読み物に植えていた一般読者が日本文学の復権を求め、出版資本がそれに応えたという。
 その後、いくつかの波があるが、目立つのは60年代半ばに三浦綾子『氷点』がベストセラーになったことと、90年代以降に村上春樹が人気を集め、大きなブームになっていることだ。三浦人気は、戦後にキリスト教が韓国社会に対して果たした役割と重ねて論じられている。一方、経済成長後の韓国の若者たちが、村上作品の主人公たちに自身の自画像や理想型を見いだしたという指摘も興味深い。翻訳された作品の目録は貴重なデータだ。一つ一つの書名を追ううちに、韓国の文学読者たちの息遣いが伝わってくるような気持ちに襲われる。=館野晳・蔡星慧訳(重)
    --「今週の本棚:『韓国における日本文学翻訳の64年』=尹相仁ほか著」、『毎日新聞』2012年11月25日(日)付。


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