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覚え書:「今週の本棚:『文体練習』=レーモン・クノー著」、『毎日新聞』2012年11月18日(日)付。

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今週の本棚:『文体練習』=レーモン・クノー著
(水声社・2310円)
 レーモン・クノー(一九〇三―一九七六)は、映画の原作『地下鉄のザジ』などで知られるフランスの作家。『文体練習』は異色の代表作だ。バスに乗っていた男が、二時間後、友人から「コートにボタンをもう一つつけさせた方がいい」と言われてる。この二五〇字ほどの単文を、「ねちねち口調」「巻きもどし」「オレ語り」「怪談風」「公的書簡」「田舎ことば」「幾何学的に」など、九十九通りの文体で書き分ける。
 たとえば「二重でダブル」は「一日の真ん中そして正午のこと」と始める。「イタリア語かぶれ」は「コートにもうひとつポットーネをつけろとラガッツォにペル・ファヴォーレ!」。これには思わず笑ってしまう。「英語な漢学」は、「ある出胃(ディ)の縫(ヌ)ーンごろ」(ある日の正午ごろの意味)。「短歌」は、「あらし立つ田舎バスに長くびの啼くやぼたんの散るぞかなしき」。至れり尽くせり。すみずみに遊び心をちりばめた、楽しい本だ。現代の文章は画一化したが、本来はこのように多種多様なのだ。言語表現のゆたかさ、まばゆさを指し示す名著。選集『レーモン・ルノー・コレクション』(全十三巻)の最新刊。=松島征ほか訳(門)
    --「今週の本棚:『文体練習』=レーモン・クノー著」、『毎日新聞』2012年11月18日(日)付。
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