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書評:サルヴァトーレ・セッティス(石井朗訳)『“古典的なるもの”の未来―明日の世界の形を描くために』ありな書房、2012年。

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サルヴァトーレ・セッティス(石井朗訳)『“古典的なるもの”の未来―明日の世界の形を描くために』ありな書房、2012年。

古代から現代へ至るヨーロッパ精神史を“classical”を切り口にしながら、その本質といってよい「ヨーロッパとは何か」を浮き彫りにする好著。

著者は古典的なるものの再興が果たしてきた役割を本書で検証するが、時代ごとの強調点には違いがあり、首尾一貫したものではない。

ギリシア・ローマの文明は、ヨーロッパのルーツと憧憬されるが、現在でいうヨーロッパ的要素とほど遠い要素も多いのは事実だ。しかし、それが、廃墟と美術作品を通して理想化され、ヨーロッパ化されていく構造の指摘は刮目させられる。

歴史の連続に人は注目するが、人の歴史とは、断絶を連続へと転換するものなのだろう。邦訳で二百頁未満の小著ながら、人文学の伝統とその変遷をたっぷりと味わうことのできる一冊だ。

ヨーロッパ文明とそのの根幹にあるものに触れることができる。

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