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覚え書:「今週の本棚:2012年「この3冊」/上 池澤夏樹(作家)」、『毎日新聞』2012年12月09日(日)付。

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今週の本棚:2012年「この3冊」/上(その1)
毎日新聞 2012年12月09日 東京朝刊

 ◇池澤夏樹(作家)

 東京プリズン=赤坂真理著(河出書房新社・1890円)

 世界が土曜の夜の夢なら--ヤンキーと精神分析=斎藤環著(角川書店・1785円)

 気仙川=畠山直哉著(河出書房新社・3360円)

 『東京プリズン』は、アメリカに留学した十五歳の少女が高校のディベートで昭和天皇の戦争責任を論じる、という見事な設定の小説。奥行きのある思想が生きのいい体験的な言葉によって縦横に語られる。

 斎藤環の本はヤンキーという文化現象を手がかりに日本文化を深層から解き明かす。「徹底して現状肯定的であること」とか、「気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」とか、なるほどと納得のフレーズが山盛り。相田みつをと橋下徹に通底するものの背後に、ぼくは日本に固有の反知性主義を読み取った。

 『気仙川』はページを繰るのが辛(つら)い本である。陸前高田出身の写真家が津波の直後、郷里に向かう。母の安否がわからないままの宙に浮いた旅路のドキュメントを被災前と後、両方の写真が立体化する巧妙な構成。
    --「今週の本棚:2012年「この3冊」/上 池澤夏樹(作家)」、『毎日新聞』2012年12月09日(日)付。

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http://mainichi.jp/feature/news/20121209ddm015070010000c2.html

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