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「さいきんのわかいものは」よく考えている

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 長谷川平蔵の足どりがゆらゆらとゆれはじめた。気もちがよかったので、二人がのんだ酒は相当の量であり、平蔵がこれなのだから、忠吾のほうはたまったものではない。
 「ああ、たまりませぬ。ああ、もう……ご、極楽でございます……こ、こうなるともう、やはり、女より酒でございますな、長官……」
 ふらふらと山間をぬけ、嵯峨野の西端へ出たところで、
 「う、ひゃあ……」
 またも忠吾が大仰な嘆声を発した。
 あたり、いちめんの菜の花であった。
 嵯峨野は春たけなわの午後の陽ざしにぬれ、高らかに雲雀が鳴きわたってゆく。
 春の木々、春の草のにおいの中を泳ぐようにして歩むうち、よろりと、長谷川平蔵が腰を落として、
 「忠吾(うさぎ)、昼寝だ」
 そのまま、仰向けに若草の中へうち倒れた。
    --池波正太郎「兇剣」、『鬼平犯科帳 二』文春文庫、2000年。

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さて、木曜日は、年度末ではなく、年内の最終講義。
授業が済んでから、前期から、エマニュエル・レヴィナスの勉強会を一対一でやっている学生さんと、軽くのつもり(が例のごとく、重くなるというw)の忘年会。

時間としては、がっつりという感じではありませんでしたが、すてきなひとときをありがとうございました。

ホント、大人達は、「さいきんのわかいものは」などとしたり顔をして、さも、社会だの世間だのを「俺たちは良く知っている」と風を切る。

しかし、若い学生さんたちと時間を共有すると……そして、私の場合、うんこのような「非常勤」なので、いろんな連中から、もうぼろくそ批判されるけれども、そういう非常勤であったとしても、若いひとたちと時間を共有することができるという環境には感謝……、実際のところ「さいきんのわかいものは」というのは、そうではない。

「さいきんのわかいものは」……という連中こそ、何も考えていなくて、「さいきんのわかいもの」こそが、物事をよく考えいると思う。

ともあれ、授業も勉強会も、一段落。

新年あけての最終講義、そして勉強会も新しい挑戦への出発へとしていければと思います。

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