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覚え書:「今週の本棚:なるほど、村上春樹=小山鉄郎・著」、『毎日新聞』2012年01月06(日)付。

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今週の本棚:なるほど、村上春樹=小山鉄郎・著
(共同通信社・1470円)

 本格的な村上春樹論をもつ著者がちょっと変わった角度から春樹作品を読み解いていった。題名に「空想読解」とあるが、これは「ナゾ解き」というのがふさわしいようだ。
 たとえば、「1963/1982年のイパネマ娘」という短編小説があるが、そこから入って村上春樹にとって1963年がもつ特別な意味を追究する。1963年は、芦屋の浜がまだ海岸線をもち、少女たちが砂浜にすわって海を眺めていた時代。そして、「ケネディー大統領が頭を撃ち抜かれた年」でもあるというところから、村上春樹においてヴェトナム戦争がいかに重大な意味をもっていたかを、具体的に作品のなかで検証する。「1963年」というナゾがきれいに解かれる。
 野菜、霊魂、お化け、雨月物語、赤・緑・青などの色がもっている意味等々、小山氏が春樹作品のキーワードと考える言葉を取りあげ、その秘密を読み解いてゆく。語り口は雑談的で軽快、あっちこっちに寄り道する楽しさがあるが、ときには鋭く突っこんで作品の本質に迫る。多くの作品の終結部近くで主人公たちが流す涙についての読解は新しく、説得力も十分だ。(豊)
    --「今週の本棚:なるほど、村上春樹=小山鉄郎・著」、『毎日新聞』2012年01月06(日)付。

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