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<中立的なもの>に惑わされた<渇望>によって、哲学は解雇される


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 <中立的なもの>の哲学に属する思想の運動はその起源と影響とにおいてさまざまであるけれども、哲学の終焉を告げる点で一致している。その運動は、いかなる顔も命じることのない従属を称揚するものであるからである。前ソクラテス期の哲学者たちに対して啓示されたと言われる<中立的なもの>に惑わされた<渇望>によって、哲学は解雇される。あるいは欲求として解釈された渇望、したがってまた活動の本質的な暴力に帰着する<渇望>が哲学を解雇してしまい、渇望は芸術や政治においてのみ自己満足することになる。<中立的なもの>の称揚は、《私》に対して《私たち》が先行し、状況内の諸存在に対して状況が先行しているというかたちをとって主張されることもある。
    --レヴィナス(熊野純彦訳)『全体性と無限(下)』岩波文庫、2006年。

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1906年の今日(1月12日)は、エマニュエル・レヴィナス(Emmanuel Lévinas)師がリトアニアのカウナスでお生まれなさった日です。

思想を一変させる根源的思索は、今世紀に入ってから、いやまして輝きを強くするばかりです。

今年も師の残されたテクストを丁寧に学んでいきたいと思います。

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